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第1章 ハル、異世界にいく
孤独の少女
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少女と出会った広場からどれくらい歩いただろうか。
彼女の指示の通りに歩いてはいるものの、なかなか着かない。
細い女の子とはいっても、背負って長い距離を歩けばハルもそれなりに疲れる。
そんな様子が表に出ていたのか、彼女がおもむろに話しかけてきた。
「申し訳ありません...見ず知らずの方にこんなことをお願いしてしまって...」
「気にしなくていいよ......僕は全然平気だから」
ハルはそう返す。
しかし、実を言うとかなり足腰にきている。
山に向かって坂道を上っているということもあるが、それ以上に、日々の運動不足が主な原因だと思われる。
「ありがとうございます....」
彼女は小さな声でお礼を言った。
すると、ちょうどその時、水の流れる音が聞こえたてきた。
「川かな.....」
「はい。私の家は川のすぐそばなので.....もう少しで着きます」
彼女の言う通り、家はすぐにハルの視界に入った。
見た目は山小屋みたいな感じで、こじんまりとしていた。
「さぁ....着いたよ」
ハルはそう言うと、少女を背中から降ろした。
「ありがとうございます....本当に助かりました」
少女は深々と頭を下げた。
「どういたしまして....それじゃあ僕はあの街に戻るから....お大事に」
ハルがそう言って、街に戻ろうと彼女に背を向けた時だった。
「待ってください!せめてお礼を....」
「何も気を使わなくていいから」
ハルは愛想笑いを浮かべて言う。
「しかし、それでは私の気がおさまりません....お茶を入れるので、どうかお上がりください」
なんとも頑固な少女だな....とハルは思った。
しかし、せっかくのお誘いを断るのも失礼なので、ハルは彼女の提案に乗ることにした。
「どうぞ...」
「おじゃまします」
ハルはそう挨拶をして家の中へと入った。
まず、入ってみて一番最初に思ったことは、随分と殺風景な家だなぁ、ということだった。
女の子の部屋なら、もっとこう家具とかインテリアにこだわって可愛らしいものを揃えてあるものだという先入観があったが、彼女の部屋は生きるのに必要最低限のものしか置いていなかった。
「今、お茶入れますから...そこに掛けていてください」
「具合悪いのに休んでなくて大丈夫?」
「はい....」
ハルはせっせとキッチンで何かをしている彼女を横目に小さなダイニングテーブルの椅子に腰かけた、思わず窓の外に目をやった。
そこにあった景色は深緑の世界だった。
今の日本ではなかなかお目にかかれないような自然がそこには広がっていた。
部屋には、風が木の葉をなでる音と、彼女がお茶を入れる心地よい音が響く。
なんだか、一種の郷愁のようなものを感じていた。
「お待たせしました....」
少女はティーカップ二つとティーポットを載せたお盆をもって、ハルの向かいに座った。
「いただきます」
ハルはそう言うと、彼女の淹れてくれたお茶に口をつけた。
うん、おいしい。
口の中にハーブの香りが広がって、身も心も休まっていくのが感じられる。
おいしそうにお茶を楽しむハルを見て、少女の表情もどこか穏やかなものになっていた。
「そういえば....自己紹介するのすっかり忘れてたね.....僕は橘ハル」
「私はアキ........アキでいいです」
「アキか......いい名前だね」
ハルは彼女の名前をほめた。
「あ、ありがとうございます....」
アキは頬を少し赤らめると、少し目線をそらした。
ハルはもう一度、ハーブティーに口をつける。
やはり、落ち着く。
どうしてかは分からないが、無性に気持ちが穏やかになっていくのが自分でも分かる。
すると、アキが不意に話し始めた。
「ぶしつけな質問かもしれませんが....あなたは異国の方なんですか?」
ハルは返答に困った。
確かに、ハルから見てこの世界は異国そのもだった。
しかし、ユートピア帝国という現実の世界には存在しない国、日本語に酷似したユートピア語の存在がハルを混乱させた。
ひょっとすると、これは自身の夢なのではないか。
もしそうなら、異国云々という議論は的外れに思える。
なぜなら、もしここが夢の世界だとすれば、この世界はハルの世界になるからである。
だが、この匂いや味や感覚が本当に夢なのだろうか。
「分からない...でも、たぶんそうだと思う...」
ハルは今の自分の気持ちを正直に答えた。
「曖昧な答えですね」
アキは笑顔でそう返した。
そして、さらに話を続ける。
「でも、私の知るところではあなたのように漆黒の髪と瞳を持った人が住む国はなかったと思います。それこそ、漆黒の髪と瞳なんていうのは神話に出てくる知恵の神、ミーカくらいではないでしょうか」
「知恵の神、ミーカ?」
ハルは思わず尋ねる。
「はい、知恵の神、ミーカというのはですね...」
そこからは延々とアキの神話についての話が続いた。
よほどこの神話が好きなのか、話すときは常に笑顔で嬉々としていた。
しかし、この神話はハルにとってもなかなかに興味深く、不思議とアキの長い話にも退屈することはなかった。
「それでですね、その後大国が二つに....げほっ....げほっ」
興奮して体調が悪化してしまったのか、アキは話の途中でひどく咳き込んだ。
「大丈夫ですか!?もう休んだ方が.....」
「いえ、大丈夫です....」
アキはそう言って、頑なに話をやめようとしなかった。
ひょっとすると、彼女は客人である自分に気を遣って無理をしているのではないか、とハルは思った。
もしそうだとすれば、自分がこの場に居続けるのは好ましくない。
「今日はありがとうございました....お茶、おいしかったです」
ハルはそう言うと席を立ち、ジャケットを手に取った。
「もう、帰ってしまうのですか....?」
アキは露骨に残念そうな顔を見せた。
「僕がいたら休めないでしょう.....体には十分気を付けて....それじゃあ、お元気で」
ハルはアキに背を向けると、玄関へ向かった。
すると、アキが声を上げた。
「い、行く当てはあるんですか.....?」
「.........」
ハルは黙り込んだ。
確かに、行く当てなどない。
「行く当てがないのだったら.....私の家にいてもらっても構わないですよ.....」
「しかし.....家の人にも迷惑でしょう」
何気なく、断るための口実として使った言葉だった。
「私に.....家族はいません。この家にも一人で住んでいます....」
彼女のその言葉を聞いて、ハルは自分の言ったことを少し後悔した。
「....すみません、その、家族がいないって知らなくて.....」
「気にしないでください.....もう終わったことですから」
しばし沈黙が訪れる。
すると、雨の音が聞こえてきた。
それもかなり強い雨である。
「雨.....」
ハルはぼそりと呟いた。
気が付くと、外はもうだいぶ暗くなっており、土地勘のないハルが来た道をきちんと戻れるのか非常に怪しい状況になってきていた。
「この雨で外に出るのは危険です.....」
アキは不安そうな顔つきで言った。
「その.....家に泊まるのが....安全だと思いますよ?」
なぜか、アキはもじもじした様子でそう提案した。
ハルはなぜアキがこれほどにまで自分のことを引き留めようとすのかは分からなかった。
しかし、ハルの心の中にもアキがちゃんと元気になるまで付き添っていてあげたいという気持ちがあったのも確かである。
「本当に.....いいんですか?」
ハルは念のために尋ねた。
「はい!」
アキは満面の笑みでそう答えた。
すると、ハルは玄関から引き返しアキの目の前に立った。
「それじゃ.....一晩お世話になります。しかし、1つだけお願いがあります」
「お願い....ですか?」
アキは不思議そうな顔をした。
「僕に気を遣わないできちんと休んでください.....あなたは病人なんですから」
「.....分かりました」
こうして、ハルは今晩アキの家に泊まることとなったのである。
彼女の指示の通りに歩いてはいるものの、なかなか着かない。
細い女の子とはいっても、背負って長い距離を歩けばハルもそれなりに疲れる。
そんな様子が表に出ていたのか、彼女がおもむろに話しかけてきた。
「申し訳ありません...見ず知らずの方にこんなことをお願いしてしまって...」
「気にしなくていいよ......僕は全然平気だから」
ハルはそう返す。
しかし、実を言うとかなり足腰にきている。
山に向かって坂道を上っているということもあるが、それ以上に、日々の運動不足が主な原因だと思われる。
「ありがとうございます....」
彼女は小さな声でお礼を言った。
すると、ちょうどその時、水の流れる音が聞こえたてきた。
「川かな.....」
「はい。私の家は川のすぐそばなので.....もう少しで着きます」
彼女の言う通り、家はすぐにハルの視界に入った。
見た目は山小屋みたいな感じで、こじんまりとしていた。
「さぁ....着いたよ」
ハルはそう言うと、少女を背中から降ろした。
「ありがとうございます....本当に助かりました」
少女は深々と頭を下げた。
「どういたしまして....それじゃあ僕はあの街に戻るから....お大事に」
ハルがそう言って、街に戻ろうと彼女に背を向けた時だった。
「待ってください!せめてお礼を....」
「何も気を使わなくていいから」
ハルは愛想笑いを浮かべて言う。
「しかし、それでは私の気がおさまりません....お茶を入れるので、どうかお上がりください」
なんとも頑固な少女だな....とハルは思った。
しかし、せっかくのお誘いを断るのも失礼なので、ハルは彼女の提案に乗ることにした。
「どうぞ...」
「おじゃまします」
ハルはそう挨拶をして家の中へと入った。
まず、入ってみて一番最初に思ったことは、随分と殺風景な家だなぁ、ということだった。
女の子の部屋なら、もっとこう家具とかインテリアにこだわって可愛らしいものを揃えてあるものだという先入観があったが、彼女の部屋は生きるのに必要最低限のものしか置いていなかった。
「今、お茶入れますから...そこに掛けていてください」
「具合悪いのに休んでなくて大丈夫?」
「はい....」
ハルはせっせとキッチンで何かをしている彼女を横目に小さなダイニングテーブルの椅子に腰かけた、思わず窓の外に目をやった。
そこにあった景色は深緑の世界だった。
今の日本ではなかなかお目にかかれないような自然がそこには広がっていた。
部屋には、風が木の葉をなでる音と、彼女がお茶を入れる心地よい音が響く。
なんだか、一種の郷愁のようなものを感じていた。
「お待たせしました....」
少女はティーカップ二つとティーポットを載せたお盆をもって、ハルの向かいに座った。
「いただきます」
ハルはそう言うと、彼女の淹れてくれたお茶に口をつけた。
うん、おいしい。
口の中にハーブの香りが広がって、身も心も休まっていくのが感じられる。
おいしそうにお茶を楽しむハルを見て、少女の表情もどこか穏やかなものになっていた。
「そういえば....自己紹介するのすっかり忘れてたね.....僕は橘ハル」
「私はアキ........アキでいいです」
「アキか......いい名前だね」
ハルは彼女の名前をほめた。
「あ、ありがとうございます....」
アキは頬を少し赤らめると、少し目線をそらした。
ハルはもう一度、ハーブティーに口をつける。
やはり、落ち着く。
どうしてかは分からないが、無性に気持ちが穏やかになっていくのが自分でも分かる。
すると、アキが不意に話し始めた。
「ぶしつけな質問かもしれませんが....あなたは異国の方なんですか?」
ハルは返答に困った。
確かに、ハルから見てこの世界は異国そのもだった。
しかし、ユートピア帝国という現実の世界には存在しない国、日本語に酷似したユートピア語の存在がハルを混乱させた。
ひょっとすると、これは自身の夢なのではないか。
もしそうなら、異国云々という議論は的外れに思える。
なぜなら、もしここが夢の世界だとすれば、この世界はハルの世界になるからである。
だが、この匂いや味や感覚が本当に夢なのだろうか。
「分からない...でも、たぶんそうだと思う...」
ハルは今の自分の気持ちを正直に答えた。
「曖昧な答えですね」
アキは笑顔でそう返した。
そして、さらに話を続ける。
「でも、私の知るところではあなたのように漆黒の髪と瞳を持った人が住む国はなかったと思います。それこそ、漆黒の髪と瞳なんていうのは神話に出てくる知恵の神、ミーカくらいではないでしょうか」
「知恵の神、ミーカ?」
ハルは思わず尋ねる。
「はい、知恵の神、ミーカというのはですね...」
そこからは延々とアキの神話についての話が続いた。
よほどこの神話が好きなのか、話すときは常に笑顔で嬉々としていた。
しかし、この神話はハルにとってもなかなかに興味深く、不思議とアキの長い話にも退屈することはなかった。
「それでですね、その後大国が二つに....げほっ....げほっ」
興奮して体調が悪化してしまったのか、アキは話の途中でひどく咳き込んだ。
「大丈夫ですか!?もう休んだ方が.....」
「いえ、大丈夫です....」
アキはそう言って、頑なに話をやめようとしなかった。
ひょっとすると、彼女は客人である自分に気を遣って無理をしているのではないか、とハルは思った。
もしそうだとすれば、自分がこの場に居続けるのは好ましくない。
「今日はありがとうございました....お茶、おいしかったです」
ハルはそう言うと席を立ち、ジャケットを手に取った。
「もう、帰ってしまうのですか....?」
アキは露骨に残念そうな顔を見せた。
「僕がいたら休めないでしょう.....体には十分気を付けて....それじゃあ、お元気で」
ハルはアキに背を向けると、玄関へ向かった。
すると、アキが声を上げた。
「い、行く当てはあるんですか.....?」
「.........」
ハルは黙り込んだ。
確かに、行く当てなどない。
「行く当てがないのだったら.....私の家にいてもらっても構わないですよ.....」
「しかし.....家の人にも迷惑でしょう」
何気なく、断るための口実として使った言葉だった。
「私に.....家族はいません。この家にも一人で住んでいます....」
彼女のその言葉を聞いて、ハルは自分の言ったことを少し後悔した。
「....すみません、その、家族がいないって知らなくて.....」
「気にしないでください.....もう終わったことですから」
しばし沈黙が訪れる。
すると、雨の音が聞こえてきた。
それもかなり強い雨である。
「雨.....」
ハルはぼそりと呟いた。
気が付くと、外はもうだいぶ暗くなっており、土地勘のないハルが来た道をきちんと戻れるのか非常に怪しい状況になってきていた。
「この雨で外に出るのは危険です.....」
アキは不安そうな顔つきで言った。
「その.....家に泊まるのが....安全だと思いますよ?」
なぜか、アキはもじもじした様子でそう提案した。
ハルはなぜアキがこれほどにまで自分のことを引き留めようとすのかは分からなかった。
しかし、ハルの心の中にもアキがちゃんと元気になるまで付き添っていてあげたいという気持ちがあったのも確かである。
「本当に.....いいんですか?」
ハルは念のために尋ねた。
「はい!」
アキは満面の笑みでそう答えた。
すると、ハルは玄関から引き返しアキの目の前に立った。
「それじゃ.....一晩お世話になります。しかし、1つだけお願いがあります」
「お願い....ですか?」
アキは不思議そうな顔をした。
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