【連載中】僕を見つめる瞳

知らない世界

目が覚めると

「............んぅ...」


フワフワととても優しく頭を撫でられている。


気持ちがよくてもっと撫でてほしいと思い、ぼんやりと思考が定まらないままその手に頭を擦り付ける。


「.........フッ」


「..........?」


そっと目を開けぼーっと天井を見つめる。


徐々に思考が冴えてくる。


「...........（いつの間にか寝てしまったのか）」


保健室のベッドに横になった後で記憶が途切れている。


あれから何時間経ったのだろうか。


そんなどうでもいいこと考えていた時


「目が覚めたようだな」


枕元から突然男の声が聞こえた。


一気に思考が覚醒する。


バッと声のする方へ顔を向けると、とんでもなく整った顔の外国人が僕の頭を撫でながら微笑んでいた。


瞳は藤の花の色をしており、髪は同じ黒だとは思えないほど美しく艶やかに輝いている。


「...........（とんでもないイケメンがこっちを見ながら微笑んでる.....）」


「ククッ....私の顔に何か付いているかな?」


あまりの美しさにジーッと目の前の顔を凝視してしまっていた僕に目の前の美人は再び声をかけてきた。


ガン見しすぎたっ、と少し焦る気持ちでどもりながら声を発する。


「...........あ、別に....（やばい、見すぎたか........でも、こんな美人学校にいたっけ......?）」


ふと、そういえば見たことの無い天井だな、保健室の布団ってこんなにふかふかだったか、などとおかしなところに気づき始めた。


「...............」


キョロキョロと目だけを動かしながら辺りを見渡した。




装飾の施された豪華な天蓋付きダブルベッド


シルクのような柔らかい手触りの布団


何故かとてもとても広い部屋


極めつけは目の前の見たこともない美人





















...............は?




















...........................は???







見たこともない光景が広がっていることはわかっているのに、理解が追いつかない。


キョロキョロと視線が定まらず冷や汗がタラタラと出てくる。


「そろそろ起きろ」


そんな僕の心中など知らないとでも言うように目の前の男は僕にそう告げた。














「...........（いや、誰!?ここどこ!?）」