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学院と呪い
レイシャル side 2
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海翔がこの1か月であそこまで出来るとは思っていなかった。
にほんと呼ばれる争い事も少ないとても平和な国で育ったという。
聞いたところ文化がまったく異なっているようだった。
そんな彼がこの短期間で私が出した課題を全てクリアするとは..........。
妻にも言われたが、正直私自身も少し厳しくしすぎたと思っている。
しかし......きっと海翔は天才と呼ばれる人種なのだろう。
彼自身は平凡...それ以下だと思っているようだが、まったく恐ろしいセンスを持ち合わせていると思う。
座学だけでなく剣術も教えたが........言うまでもなく驚くほどに強かった。
初めて会った時はヒョロっとしており不健康そうなとても痩せている子供だった。
この世界の貴族の子供であれば幼い頃から剣術は当たり前のように教わるので、上等な服を着た男子が痩せていることはまずありえないが、海翔の居た国の事を聞いて納得はした。
だが、事情を聞いたからこそ、逆に恐ろしくなった。
座学に関しては記憶力が良ければすぐに身につくものだが、剣術に関してはそうはいかない。
海翔を見る限り、まったく運動をしていないようだったので剣術は諦めた方がいいかと思っていたほどだったが、彼は1か月という期間で剣術を完璧にものにしてしまった。
海翔の話によると、『けんどう』というものをしていた事はあるが、それはもう何年も前に辞めてしまったと言う。
初めて剣を持たせた時、確かに筋は良かった。
もっとちゃんと剣術を学べば、誰も海翔に勝つことは出来なくなるだろう。
そう思う程に彼は天才というほかなかった。
今の彼からは『不健康』という文字を見る影もなく、運動をしたおかげかしっかり筋肉もつき、身長もグングンと伸びていた。
178cmはあるんじゃないか.........?
まさか私が海翔に抜かされるとは.......少しだがな。
そんな彼だが、感情を表情に出すことだけはどうにも難しいみたいだった。
平和な国で生きてきたはずの子供が、どんな環境で育ったらそうなるのか.....理解ができない。
私はとりあえず表情に関しては病気の後遺症ということにして、無理に笑わせようとは思わなかった。
海翔と出会ってまだ1か月だが、彼はもう家族なのだ。
作り物の笑顔ではなく、本当に心からの笑顔を見せてほしかった。
そんなわけで妻にもその事については一応触れないようにと伝えておいた。
そして今日、学院へ行く日となった。
馬車に乗り込む海翔の後ろ姿を妻と見ていた。
「.......寂しくなるわね」
「ああ....そうだな」
「あの子ばかりに負担はかけられないわ.....まだまだ子供なのに........私達も出来ることは最大限するわよ」
「もちろんだ。ネフィルだけでなく海翔のためにも私達もやり遂げなければな」
「ええ...........4人で過ごせるようにするために」
「ハハッ!そうだな」
にほんと呼ばれる争い事も少ないとても平和な国で育ったという。
聞いたところ文化がまったく異なっているようだった。
そんな彼がこの短期間で私が出した課題を全てクリアするとは..........。
妻にも言われたが、正直私自身も少し厳しくしすぎたと思っている。
しかし......きっと海翔は天才と呼ばれる人種なのだろう。
彼自身は平凡...それ以下だと思っているようだが、まったく恐ろしいセンスを持ち合わせていると思う。
座学だけでなく剣術も教えたが........言うまでもなく驚くほどに強かった。
初めて会った時はヒョロっとしており不健康そうなとても痩せている子供だった。
この世界の貴族の子供であれば幼い頃から剣術は当たり前のように教わるので、上等な服を着た男子が痩せていることはまずありえないが、海翔の居た国の事を聞いて納得はした。
だが、事情を聞いたからこそ、逆に恐ろしくなった。
座学に関しては記憶力が良ければすぐに身につくものだが、剣術に関してはそうはいかない。
海翔を見る限り、まったく運動をしていないようだったので剣術は諦めた方がいいかと思っていたほどだったが、彼は1か月という期間で剣術を完璧にものにしてしまった。
海翔の話によると、『けんどう』というものをしていた事はあるが、それはもう何年も前に辞めてしまったと言う。
初めて剣を持たせた時、確かに筋は良かった。
もっとちゃんと剣術を学べば、誰も海翔に勝つことは出来なくなるだろう。
そう思う程に彼は天才というほかなかった。
今の彼からは『不健康』という文字を見る影もなく、運動をしたおかげかしっかり筋肉もつき、身長もグングンと伸びていた。
178cmはあるんじゃないか.........?
まさか私が海翔に抜かされるとは.......少しだがな。
そんな彼だが、感情を表情に出すことだけはどうにも難しいみたいだった。
平和な国で生きてきたはずの子供が、どんな環境で育ったらそうなるのか.....理解ができない。
私はとりあえず表情に関しては病気の後遺症ということにして、無理に笑わせようとは思わなかった。
海翔と出会ってまだ1か月だが、彼はもう家族なのだ。
作り物の笑顔ではなく、本当に心からの笑顔を見せてほしかった。
そんなわけで妻にもその事については一応触れないようにと伝えておいた。
そして今日、学院へ行く日となった。
馬車に乗り込む海翔の後ろ姿を妻と見ていた。
「.......寂しくなるわね」
「ああ....そうだな」
「あの子ばかりに負担はかけられないわ.....まだまだ子供なのに........私達も出来ることは最大限するわよ」
「もちろんだ。ネフィルだけでなく海翔のためにも私達もやり遂げなければな」
「ええ...........4人で過ごせるようにするために」
「ハハッ!そうだな」
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