【連載中】僕を見つめる瞳

かつお

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学院と呪い

お城があった4

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HR中か授業中かは分からないが、学院の中はとても静かで僕達二人分の靴音がコツコツと静かに響く。


これが育ちの違いか、と日本の学校とはあまりにも違う様子に少し驚いていた。


僕が通っていた学校はHR中であっても授業中あっても常に誰かの話し声がガヤガヤと廊下まで聞こえていたものだ。


................いや、訂正しよう。


「ーーーで、ここが音の教室で主に音楽に関する授業やギフトを持っている生徒が訓練に使う部屋だよ~。社交ダンスとかもここでやってるんだ~。卒業パーティーでは卒業生は社交ダンスが強制参加だから練習頑張ってね!ネフィル君はパートナーに困らなさそうだなぁ、きっとたくさん声をかけられると思うから迷っちゃうね~。じゃ、次は~ーーー」


まったくもって、静かではなかった。


教室に着く度に都度用途を説明してくれるのはありがたい......ありがたいが、一人でずっと喋っていた。


本当にずっと喋っていた、教室から教室へ移動している間もずっとだ。


どこからそんなに話す話題が出てくるのか、相当頭の回転が速いのだろう。


この先生の授業を受けてみたいなと少し興味が出てきたが、今みたいな授業外で話しかけたら最後、いつ開放されるか分からないなと少し怖くもなった。


「ーーで~、ぼくの飼ってるキュウちゃんがね~ご飯を食べた後いっつも口の周りがベタベタになってるんだけどその後の行動がめっちゃかわいいんだぁ。口拭いてって顔突き出してくるんだよぉ。ただでさえ普通にしててもかわいいのにそんなことされたらもうぼくキュウちゃんにメロメロだよ~ーー」


少し思考を飛ばしている間にいつの間にか先生の飼っているペットの話になっていた。


学院の説明はどこに行ったのか、僕は先生の話す内容をほとんどBGMのように聞き流していた。


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