【連載中】僕を見つめる瞳

かつお

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学院と呪い

呪い7

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自業自得だ、と思っている僕は特に何も言うこともなく、焦っている先生を早く終われと思いながらただただ見つめた。


「うわ~ん!何か言ってよぉ~!冷めきった無表情で見てくるブロンス先生を想像しちゃったら最後!もう寝れないよぉ...........いっつも背後に禍々しい黒いオーラが見えるんだもんなぁ、どうしよう、一人でトイレに行けないかも..........ネ、ネフィルくん...........今日、ぼくの部屋に泊まっていかない...........?ね?今日だけでいいから!お願いっ!!」


ああ、この先生は教師の中で一番の問題児なんだろう。


普通、学院に来て数時間しか経ってない生徒を自分の部屋に誘うか?


普段からこんなことばかり仕出かしているのかと想像してしまうが、何だかその想像も上回っていそうでブロンス先生とやらが気の毒に思えた。


「.............そろそろ帰っても....?(さすがに帰りたい。もう十分先生の愚痴は聞いただろ、疲れた)」


「ん?ああ、そうだね~。初日だし疲れたよね~。そろそろ帰ろっかぁ~」


意外とあっさり帰してくれるみたいで、もっと早く言っておけば良かったと後悔した。


もう少しごねるかと思っていたが、言うだけ言ったら満足したのか、どこかスッキリした顔を僕に向けた。


教師も寮制らしく、学生寮の隣に建物があった。


先生はもう仕事が片付いているのかは分からないが、寮へと歩みを進めた。


朝来た時とは違う、寮へと繋がる道を先生と二人で歩く。


先程寮を案内してもらうために通った時も思ったが、この道は何だか怖かった。


8人ぐらい並んで歩ける程の横に広い道、その道を囲うように木々が生い茂っており奥を見ようとするが暗くて何も見えない。


そして道の端を均等に並ぶ淡く光るヨーロッパにありそうなオシャレな街灯のようなものがあった。


日本のような真っ白く光る街灯などは無いため、陽が落ちきるとこの道は薄暗い。


何処からか誰かが走る足音が聞こえてくるような、こないような。


「あっ!」


若干ホラー味を感じていたその時、隣を歩いていた先生がいきなり大きな声を出した事により、僕の心拍数が一瞬だけど急速に加速した。


なんだ、と思いながら先生をジトっと見つめる。


「そうそう、さっき思ったんだけど~、あ、さっきっていうのはネフィル君が資料室って言ってた教室のことね~。なーんか引っかかってたんだよね~。で、今思い出したんだけどぉ、なんかこの学院にがあるって誰かに聞いたことがあるんだよね~。詳しくは知らないんだけど~、ある条件が揃ってしまうとその教室が迎えに来る、らしいよ~。あ~こわっ」









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