50 / 58
学院と呪い
学院生活6
しおりを挟む
職員室の前で向かい合って僕達が話していた(ほとんどロートリクス先生が一人で喋っていた)その時、僕達の左側に男が立っていた。
いつの間に傍まで来ていたのか、全くと言っていいほど気が付かなかった。
「ブ、ブ、ブブ、ブロンス先生っっっ!!!おは、おはようございますっっ!!!今日も相変わらず素晴らしいご尊顔で眩しいですっっっ!!!」
ロートリクス先生が男を見上げ汗をダラダラとかいている。
両腕をピシッと気をつけの状態で目をギュッと瞑り、男を見上げながら体育会系かと思うほどの大声で挨拶をしていた。
隣で聞いていた僕はそんな大声を受け入れる準備をしていなかったため、キーンと耳に響いて少しだけ頭が痛くなった。
「っつ!君はっ............はぁ、相変わらず声が大きいですね。おはようございます、今日は時間通りに行動できたのですね。ロートリクス先生」
「はいっ!!ぼくは先生ですからねっ!!当たり前ですよ!!」
僕だけでなく目の前の男も頭に響いたのか、眉間に皺を寄せながらロートリクス先生に向かって皮肉を返す。
そんな告げられた言葉の意味に気づいていないのか、ロートリクス先生は満面の笑みで時間を守るのは当たり前といったふうに返事をしていた。
この人はあんなにビビり散らかしていたのに、その男に向かってよくもまあ平気でそんな言葉が出てくるものだなと思った。
男の言った皮肉から考えて、恐らく昨日僕との待ち合わせの時間に遅れてきたことはバレているのだろう。
脳天気なロートリクス先生の言葉を聞いた男は額に青筋を浮かべ片眉をピクっと動かした後、深い深いため息をついた。
「ああ、そうですね。この話は後でゆっくり聞きましょう。で、君がネフィル・ディーランスでいいですね?」
男はスっと僕に視線を移し名前を呼んだ。
僕は鋭い視線に内心少しだけビビりながら、そうですと返事をした。
「私はマリノス・ブロンスで君の担任です。そろそろHRが始まるので歩きながら話しましょう」
マリノス・ブロンス
腰まであるオレンジがかった長い髪を後ろで一つに纏めおり、背中でゆらゆらと揺れている。
切れ長の茶色の瞳がこちらを射抜く。
ピクリとも笑わないその美しい顔は冷たい印象を抱かせた。
今朝会ったシューナル・ブロンスとどことなく顔立ちが似ている、ブロンス侯爵家の長男であるこの男。
なぜ次期当主であった彼その座を次男に託し教師なんてものをしているのか、普通は気になるところなのだろうが、僕にとってそんなことはどうでもよかった。
そして歩き出したブロンス先生について行く。
「君は転校生、という訳ではないですが皆に自己紹介はしていただきます。学院内では身分は関係ないとはいえ、君が公爵家であるという事は認識しておいてもらう必要がありますからね。まあその髪を見て君が誰なのか分からない馬鹿はいないと思いますが。今の間に何を言うか考えておいてください」
前を向きながら淡々と伝えてくる。
な、名前だけじゃダメなのか...........。
いつの間に傍まで来ていたのか、全くと言っていいほど気が付かなかった。
「ブ、ブ、ブブ、ブロンス先生っっっ!!!おは、おはようございますっっ!!!今日も相変わらず素晴らしいご尊顔で眩しいですっっっ!!!」
ロートリクス先生が男を見上げ汗をダラダラとかいている。
両腕をピシッと気をつけの状態で目をギュッと瞑り、男を見上げながら体育会系かと思うほどの大声で挨拶をしていた。
隣で聞いていた僕はそんな大声を受け入れる準備をしていなかったため、キーンと耳に響いて少しだけ頭が痛くなった。
「っつ!君はっ............はぁ、相変わらず声が大きいですね。おはようございます、今日は時間通りに行動できたのですね。ロートリクス先生」
「はいっ!!ぼくは先生ですからねっ!!当たり前ですよ!!」
僕だけでなく目の前の男も頭に響いたのか、眉間に皺を寄せながらロートリクス先生に向かって皮肉を返す。
そんな告げられた言葉の意味に気づいていないのか、ロートリクス先生は満面の笑みで時間を守るのは当たり前といったふうに返事をしていた。
この人はあんなにビビり散らかしていたのに、その男に向かってよくもまあ平気でそんな言葉が出てくるものだなと思った。
男の言った皮肉から考えて、恐らく昨日僕との待ち合わせの時間に遅れてきたことはバレているのだろう。
脳天気なロートリクス先生の言葉を聞いた男は額に青筋を浮かべ片眉をピクっと動かした後、深い深いため息をついた。
「ああ、そうですね。この話は後でゆっくり聞きましょう。で、君がネフィル・ディーランスでいいですね?」
男はスっと僕に視線を移し名前を呼んだ。
僕は鋭い視線に内心少しだけビビりながら、そうですと返事をした。
「私はマリノス・ブロンスで君の担任です。そろそろHRが始まるので歩きながら話しましょう」
マリノス・ブロンス
腰まであるオレンジがかった長い髪を後ろで一つに纏めおり、背中でゆらゆらと揺れている。
切れ長の茶色の瞳がこちらを射抜く。
ピクリとも笑わないその美しい顔は冷たい印象を抱かせた。
今朝会ったシューナル・ブロンスとどことなく顔立ちが似ている、ブロンス侯爵家の長男であるこの男。
なぜ次期当主であった彼その座を次男に託し教師なんてものをしているのか、普通は気になるところなのだろうが、僕にとってそんなことはどうでもよかった。
そして歩き出したブロンス先生について行く。
「君は転校生、という訳ではないですが皆に自己紹介はしていただきます。学院内では身分は関係ないとはいえ、君が公爵家であるという事は認識しておいてもらう必要がありますからね。まあその髪を見て君が誰なのか分からない馬鹿はいないと思いますが。今の間に何を言うか考えておいてください」
前を向きながら淡々と伝えてくる。
な、名前だけじゃダメなのか...........。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
23
1 / 3
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる