【連載中】僕を見つめる瞳

かつお

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学院と呪い

学院生活14

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「...............(???なんだ?別におかしな事は言ってない筈だけど....何かしたか、僕.....)」


この短いやり取りの間で、何か悟られる様なことをしたのかと不安になってくる。


「んんっ、すまない、何でもない。それよりこんな所まで来て、どうするつもりだったんだ」


背けていた顔を再びこちらへ向け、先程まで真っ赤だった顔色は元に戻っていたが、こちらへ向けたその表情は険しいものだった。


眉間に皺を寄せ、怒っているように見えた。


「............(何で怒ってるんだ...?ここはただの庭園だろう....どうするつもりも何も植物を見る以外、する事でもあるのか?僕からしたら、見たことの無い植物ばかりで目が離せないけど、彼からしたら別になんてないもののはずなんだけど)」


僕にはシューナル・ブロンスの質問の意図が理解出来ずに、黙ったまま彼を見つめ返す。


すると彼はハッとした様な表情でわたわたと慌てだした。


「あっ、いや何でもない。今言ったことは気にしないでくれ。それよりそろそろ学院へ戻ろう。ご飯もまだだろう?やはり、一緒に食べよう。殿下と二人きりにはしないから安心しろ」


ほら、と言って僕の左手首を掴み、そのまま学院へ歩き出した。


掴まれた左手首に、普通の人より彼の少し高い体温が掴んでいる掌からじんわりと伝わってくる。


自分の心が冷えきっているからなのかは分からないが、その温かさがとても心地よく感じていた僕は、手首を掴まれていることに何も言わず、ただただ彼の後ろを着いて歩く。


「..........何も、聞かないのか....?」


僕たちの間に沈黙が続いていた時、シューナル・ブロンスは唐突にそう呟いた。


「............(いや、忘れろって言ってきたのはお前だろう..........そんな事より今から王子サマに会いに行くっていうのが嫌なんだよ........話してて何か不快というか、目が怖いんだよな)」


王太子の愚痴を目の前の彼に言う訳にもいかないので、沈黙で返した。


「........フッ.........分かった」


「...........(え、何で笑ったんだ......なんかキモいな。イケメンゆえの自信ってやつか....?)」


何か知らないが今の沈黙で納得したのか、再び僕たちの間には沈黙が流れた。




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