4 / 57
〈4〉飯を奪え! 邪魔者は殴れ!
しおりを挟む
「なんだよ、噂の“占い師”かよ。こんなところで、雑魚がなにやってんだ?」
「食い物でも探してたんじゃないっすかね? ごみ箱漁って、残飯食ってたって話しっすよ」
「泥水でも飲んでんだんじゃね?」
くははは、と男たちが腹を抱えている。
目尻には涙まで浮かんでいるのだが、何が可笑しいんだ?
俺が飯を探していたことか、それとも残飯を笑ってるのか。
--どちらにしても、許し難い行為だ。
「飯を笑うヤツは、死ぬぞ」
飯のことすら考えられなくなるくらいの空腹を感じてみろ。
「飯を笑うヤツは、飯が食えなくなる呪いを浴びて、空腹で死ねばいい」
食い物を馬鹿にするヤツは、万死に値する。
許すつもりはない。
そんな思いも込めて、大きく踏み込んだ。
「なっ!?」
驚いた表情を浮かべた男の胃をピンポイントで殴りつける。
腰の回転を加えて、衝撃で胃を潰すように打ち抜く。
「ごほっ……!」
体をくの字に曲げて悶え苦しむ男の腰から、鞘に入ったままだった剣を引き抜いた。
オマケとして、おさえた手の上から胃を蹴って、距離を取る。
これで、しばらくは飯が食えないだろう。
飯を馬鹿にした、当然の報いだ。
「飯に謝罪した後で、飯を寄越せ。そしたら見逃してやってもいい」
そう声をかけながら、奪った剣を投げ捨てる。
一瞬の静寂の後に、男たちの表情が変わっていた。
呆然とする者、気を引き締める者、俺をまじまじと見る者。
「クソが……!! 調子に乗ってんじゃねぇよ!」
痛みに顔を歪ませた男が、仲間から剣を奪って、駆けてくる。
感じるのは、明確な殺意。
「死ねや、占い師!!!!」
それでも、田舎にいた猪と比べたら、たいしたことはない。
上段から振り下ろされた剣を左に避けて、男の手首に木の枝を叩き込む。
「くっ!?」
手から離れた剣を横目に、男の喉を枝で突く。
「コホッ……」
次はもう一度 胃を!!
そう思って枝を突くが、大きく後ろに飛んで避けられた。
「クソ雑魚が!! アニキ! あいつは俺に--」
男が何かを言い終わる前に剣を拾い上げて、構えて見せる。
「もう一度 言うぞ? 飯をくれるなら見逃してやる」
「…………」
男たちが、目に見えてた動揺していた。
リーダー格の男の額にも、うっすら光る汗が見える。
チラリと振り向くと、少女は相変わらずそこにいて、呆然と俺の姿を見上げていた。
良かった。
潰れたパンは無事らしい。
さすがに、この短時間で食ったりはしてないだろう。
しないよな?
……まぁ、いい。
まずは、男たちの方の飯だ。
「このまま、お前らを食えばいいのか?」
さすがに人間を食ったことはないけど、食えないことはないだろう。
火を通せばいけるよな?
問題は、手の中にある剣が重いこと。
やはり、“占い師”のスキル持ちに、剣は合わないらしい。
だが、飯のためだ。
無理だとか、合わないとか、そんなこと、どうでもいい。
「正当防衛で足の1本くらいなら、食ってもいいよな?」
腕とどっちがいいだろうか?
そんなことを考えていると、不意にリーダー格の男が、1歩だけ下がっていた。
「……なぁ、“占い師”。たぶんだが、お前は勘違いをしていると思うぜ? 俺たちに争う意味はないはずだ」
「……なにがだ?」
「俺たちは、冒険者。これもギルドから正式な依頼を受けた仕事だ」
……仕事?
「街の中での依頼なんて数がすくねぇから、勘違いするのも仕方がないがな。これを見てくれよ」
男はそう言って、1枚の紙を俺の前に滑らせた。
---------
依頼:凶悪な少女の殺害
報酬:500万ギル
発行者:冒険者ギルド
受注者:(株)堅牢の壁
---------
……見覚えがある。
冒険者じゃなくても受けられる仕事を受注した時に貰った紙と同じ物だ。
「凶悪な少女……」
思わず背後に目が向く。
……人を殺しているような瞳には見えないが?
「なんでもよ。貴族ばかり、10人も殺したらしいぜ?」
「ち、違うわ! 私はそんなこと!!」
「てめぇは黙ってろ!!」
「ひぅ……」
怯えた瞳に、ガタガタと震えている手足。
どう見ても、演技だとは思えないが??
この少女が、貴族ばかりを10人も殺している?
それはないだろう。
もし彼女に人を殺せるだけの力があるなら、俺を殺して逃げようとしていたはずだ。
「本物の依頼書なのか?」
「無論だ。手にとってくれていいぜ?」
「……わかった」
男たちにも、少女にも注意を向けて、紙に手を伸ばす。
紙の質、インクの色、判子の模様。
どれを見ても、冒険者ギルドで貰った物と同じに見える。
「もしこの紙が本物なら、俺はお前らの飯を邪魔したクソ野郎になるな」
「?? ぉ、おお、そうだな」
もしそうなら、全力で謝るしかない。
知らなかったとは言え、飯を邪魔するなど、許されざる行為だ。
問題は、本物か偽物かの判定が出来ないことなんだが……。
やはり、背後の少女が人を殺しているようには、見えないんだよな。
殺意剥き出しの、獣のような匂いが今もしないしな。
むしろ、やっぱり、目の前にいる男たちの方が……。
「--そこまでだ!!」
不意に、女性の声がした。
大量の足音が聞こえてくる。
ハッと周囲に目を向けると、いつの間にか鎧と槍を手にした男たちに囲まれていた。
声の主は、崩れかけの屋根に乗った赤い髪の女性らしい。
「全員、その場に平伏せ!!」
宝石の付いた剣を向けた彼女が、俺たちを見下ろしながら声を張り上げていた。
「食い物でも探してたんじゃないっすかね? ごみ箱漁って、残飯食ってたって話しっすよ」
「泥水でも飲んでんだんじゃね?」
くははは、と男たちが腹を抱えている。
目尻には涙まで浮かんでいるのだが、何が可笑しいんだ?
俺が飯を探していたことか、それとも残飯を笑ってるのか。
--どちらにしても、許し難い行為だ。
「飯を笑うヤツは、死ぬぞ」
飯のことすら考えられなくなるくらいの空腹を感じてみろ。
「飯を笑うヤツは、飯が食えなくなる呪いを浴びて、空腹で死ねばいい」
食い物を馬鹿にするヤツは、万死に値する。
許すつもりはない。
そんな思いも込めて、大きく踏み込んだ。
「なっ!?」
驚いた表情を浮かべた男の胃をピンポイントで殴りつける。
腰の回転を加えて、衝撃で胃を潰すように打ち抜く。
「ごほっ……!」
体をくの字に曲げて悶え苦しむ男の腰から、鞘に入ったままだった剣を引き抜いた。
オマケとして、おさえた手の上から胃を蹴って、距離を取る。
これで、しばらくは飯が食えないだろう。
飯を馬鹿にした、当然の報いだ。
「飯に謝罪した後で、飯を寄越せ。そしたら見逃してやってもいい」
そう声をかけながら、奪った剣を投げ捨てる。
一瞬の静寂の後に、男たちの表情が変わっていた。
呆然とする者、気を引き締める者、俺をまじまじと見る者。
「クソが……!! 調子に乗ってんじゃねぇよ!」
痛みに顔を歪ませた男が、仲間から剣を奪って、駆けてくる。
感じるのは、明確な殺意。
「死ねや、占い師!!!!」
それでも、田舎にいた猪と比べたら、たいしたことはない。
上段から振り下ろされた剣を左に避けて、男の手首に木の枝を叩き込む。
「くっ!?」
手から離れた剣を横目に、男の喉を枝で突く。
「コホッ……」
次はもう一度 胃を!!
そう思って枝を突くが、大きく後ろに飛んで避けられた。
「クソ雑魚が!! アニキ! あいつは俺に--」
男が何かを言い終わる前に剣を拾い上げて、構えて見せる。
「もう一度 言うぞ? 飯をくれるなら見逃してやる」
「…………」
男たちが、目に見えてた動揺していた。
リーダー格の男の額にも、うっすら光る汗が見える。
チラリと振り向くと、少女は相変わらずそこにいて、呆然と俺の姿を見上げていた。
良かった。
潰れたパンは無事らしい。
さすがに、この短時間で食ったりはしてないだろう。
しないよな?
……まぁ、いい。
まずは、男たちの方の飯だ。
「このまま、お前らを食えばいいのか?」
さすがに人間を食ったことはないけど、食えないことはないだろう。
火を通せばいけるよな?
問題は、手の中にある剣が重いこと。
やはり、“占い師”のスキル持ちに、剣は合わないらしい。
だが、飯のためだ。
無理だとか、合わないとか、そんなこと、どうでもいい。
「正当防衛で足の1本くらいなら、食ってもいいよな?」
腕とどっちがいいだろうか?
そんなことを考えていると、不意にリーダー格の男が、1歩だけ下がっていた。
「……なぁ、“占い師”。たぶんだが、お前は勘違いをしていると思うぜ? 俺たちに争う意味はないはずだ」
「……なにがだ?」
「俺たちは、冒険者。これもギルドから正式な依頼を受けた仕事だ」
……仕事?
「街の中での依頼なんて数がすくねぇから、勘違いするのも仕方がないがな。これを見てくれよ」
男はそう言って、1枚の紙を俺の前に滑らせた。
---------
依頼:凶悪な少女の殺害
報酬:500万ギル
発行者:冒険者ギルド
受注者:(株)堅牢の壁
---------
……見覚えがある。
冒険者じゃなくても受けられる仕事を受注した時に貰った紙と同じ物だ。
「凶悪な少女……」
思わず背後に目が向く。
……人を殺しているような瞳には見えないが?
「なんでもよ。貴族ばかり、10人も殺したらしいぜ?」
「ち、違うわ! 私はそんなこと!!」
「てめぇは黙ってろ!!」
「ひぅ……」
怯えた瞳に、ガタガタと震えている手足。
どう見ても、演技だとは思えないが??
この少女が、貴族ばかりを10人も殺している?
それはないだろう。
もし彼女に人を殺せるだけの力があるなら、俺を殺して逃げようとしていたはずだ。
「本物の依頼書なのか?」
「無論だ。手にとってくれていいぜ?」
「……わかった」
男たちにも、少女にも注意を向けて、紙に手を伸ばす。
紙の質、インクの色、判子の模様。
どれを見ても、冒険者ギルドで貰った物と同じに見える。
「もしこの紙が本物なら、俺はお前らの飯を邪魔したクソ野郎になるな」
「?? ぉ、おお、そうだな」
もしそうなら、全力で謝るしかない。
知らなかったとは言え、飯を邪魔するなど、許されざる行為だ。
問題は、本物か偽物かの判定が出来ないことなんだが……。
やはり、背後の少女が人を殺しているようには、見えないんだよな。
殺意剥き出しの、獣のような匂いが今もしないしな。
むしろ、やっぱり、目の前にいる男たちの方が……。
「--そこまでだ!!」
不意に、女性の声がした。
大量の足音が聞こえてくる。
ハッと周囲に目を向けると、いつの間にか鎧と槍を手にした男たちに囲まれていた。
声の主は、崩れかけの屋根に乗った赤い髪の女性らしい。
「全員、その場に平伏せ!!」
宝石の付いた剣を向けた彼女が、俺たちを見下ろしながら声を張り上げていた。
0
あなたにおすすめの小説
最難関ダンジョンをクリアした成功報酬は勇者パーティーの裏切りでした
新緑あらた
ファンタジー
最難関であるS級ダンジョン最深部の隠し部屋。金銀財宝を前に告げられた言葉は労いでも喜びでもなく、解雇通告だった。
「もうオマエはいらん」
勇者アレクサンダー、癒し手エリーゼ、赤魔道士フェルノに、自身の黒髪黒目を忌避しないことから期待していた俺は大きなショックを受ける。
ヤツらは俺の外見を受け入れていたわけじゃない。ただ仲間と思っていなかっただけ、眼中になかっただけなのだ。
転生者は曾祖父だけどチートは隔世遺伝した「俺」にも受け継がれています。
勇者達は大富豪スタートで貧民窟の住人がゴールです(笑)
一級魔法使いになれなかったので特級厨師になりました
しおしお
恋愛
魔法学院次席卒業のシャーリー・ドットは、
「一級魔法使いになれなかった」という理由だけで婚約破棄された。
――だが本当の理由は、ただの“うっかり”。
試験会場を間違え、隣の建物で行われていた
特級厨師試験に合格してしまったのだ。
気づけばシャーリーは、王宮からスカウトされるほどの
“超一流料理人”となり、国王の胃袋をがっちり掴む存在に。
一方、学院首席で一級魔法使いとなった
ナターシャ・キンスキーは、大活躍しているはずなのに――
「なんで料理で一番になってるのよ!?
あの女、魔法より料理の方が強くない!?」
すれ違い、逃げ回り、勘違いし続けるナターシャと、
天然すぎて誤解が絶えないシャーリー。
そんな二人が、魔王軍の襲撃、国家危機、王宮騒動を通じて、
少しずつ距離を縮めていく。
魔法で国を守る最強魔術師。
料理で国を救う特級厨師。
――これは、“敵でもライバルでもない二人”が、
ようやく互いを認め、本当の友情を築いていく物語。
すれ違いコメディ×料理魔法×ダブルヒロイン友情譚!
笑って、癒されて、最後は心が温かくなる王宮ラノベ、開幕です。
無能扱いされ、パーティーを追放されたおっさん、実はチートスキル持ちでした。戻ってきてくれ、と言ってももう遅い。田舎でゆったりスローライフ。
さくら
ファンタジー
かつて勇者パーティーに所属していたジル。
だが「無能」と嘲られ、役立たずと追放されてしまう。
行くあてもなく田舎の村へ流れ着いた彼は、鍬を振るい畑を耕し、のんびり暮らすつもりだった。
――だが、誰も知らなかった。
ジルには“世界を覆すほどのチートスキル”が隠されていたのだ。
襲いかかる魔物を一撃で粉砕し、村を脅かす街の圧力をはねのけ、いつしか彼は「英雄」と呼ばれる存在に。
「戻ってきてくれ」と泣きつく元仲間? もう遅い。
俺はこの村で、仲間と共に、気ままにスローライフを楽しむ――そう決めたんだ。
無能扱いされたおっさんが、実は最強チートで世界を揺るがす!?
のんびり田舎暮らし×無双ファンタジー、ここに開幕!
異世界召喚された俺の料理が美味すぎて魔王軍が侵略やめた件
さかーん
ファンタジー
魔王様、世界征服より晩ご飯ですよ!
食品メーカー勤務の平凡な社会人・橘陽人(たちばな はると)は、ある日突然異世界に召喚されてしまった。剣も魔法もない陽人が頼れるのは唯一の特技――料理の腕だけ。
侵略の真っ最中だった魔王ゼファーとその部下たちに、試しに料理を振る舞ったところ、まさかの大絶賛。
「なにこれ美味い!」「もう戦争どころじゃない!」
気づけば魔王軍は侵略作戦を完全放棄。陽人の料理に夢中になり、次々と餌付けされてしまった。
いつの間にか『魔王専属料理人』として雇われてしまった陽人は、料理の腕一本で人間世界と魔族の架け橋となってしまう――。
料理と異世界が織りなす、ほのぼのグルメ・ファンタジー開幕!
異世界転生したおっさんが普通に生きる
カジキカジキ
ファンタジー
第18回 ファンタジー小説大賞 読者投票93位
応援頂きありがとうございました!
異世界転生したおっさんが唯一のチートだけで生き抜く世界
主人公のゴウは異世界転生した元冒険者
引退して狩をして過ごしていたが、ある日、ギルドで雇った子どもに出会い思い出す。
知識チートで町の食と環境を改善します!! ユルくのんびり過ごしたいのに、何故にこんなに忙しい!?
コストカットだ!と追放された王宮道化師は、無数のスキルで冒険者として成り上がる。
あけちともあき
ファンタジー
「宮廷道化師オーギュスト、お前はクビだ」
長い間、マールイ王国に仕え、平和を維持するために尽力してきた道化師オーギュスト。
だが、彼はその活躍を妬んだ大臣ガルフスの陰謀によって職を解かれ、追放されてしまう。
困ったオーギュストは、手っ取り早く金を手に入れて生活を安定させるべく、冒険者になろうとする。
長い道化師生活で身につけた、数々の技術系スキル、知識系スキル、そしてコネクション。
それはどんな難関も突破し、どんな謎も明らかにする。
その活躍は、まさに万能!
死神と呼ばれた凄腕の女戦士を相棒に、オーギュストはあっという間に、冒険者たちの中から頭角を現し、成り上がっていく。
一方、国の要であったオーギュストを失ったマールイ王国。
大臣一派は次々と問題を起こし、あるいは起こる事態に対応ができない。
その方法も、人脈も、全てオーギュストが担当していたのだ。
かくしてマールイ王国は傾き、転げ落ちていく。
目次
連載中 全21話
2021年2月17日 23:39 更新
処刑された勇者は二度目の人生で復讐を選ぶ
シロタカズキ
ファンタジー
──勇者は、すべてを裏切られ、処刑された。
だが、彼の魂は復讐の炎と共に蘇る──。
かつて魔王を討ち、人類を救った勇者 レオン・アルヴァレス。
だが、彼を待っていたのは称賛ではなく、 王族・貴族・元仲間たちによる裏切りと処刑だった。
「力が強すぎる」という理由で異端者として断罪され、広場で公開処刑されるレオン。
国民は歓喜し、王は満足げに笑い、かつての仲間たちは目を背ける。
そして、勇者は 死んだ。
──はずだった。
十年後。
王国は繁栄の影で腐敗し、裏切り者たちは安穏とした日々を送っていた。
しかし、そんな彼らの前に死んだはずの勇者が現れる。
「よくもまあ、のうのうと生きていられたものだな」
これは、英雄ではなくなった男の復讐譚。
彼を裏切った王族、貴族、そしてかつての仲間たちを絶望の淵に叩き落とすための第二の人生が、いま始まる──。
最低最悪の悪役令息に転生しましたが、神スキル構成を引き当てたので思うままに突き進みます! 〜何やら転生者の勇者から強いヘイトを買っている模様
コレゼン
ファンタジー
「おいおい、嘘だろ」
ある日、目が覚めて鏡を見ると俺はゲーム「ブレイス・オブ・ワールド」の公爵家三男の悪役令息グレイスに転生していた。
幸いにも「ブレイス・オブ・ワールド」は転生前にやりこんだゲームだった。
早速、どんなスキルを授かったのかとステータスを確認してみると――
「超低確率の神スキル構成、コピースキルとスキル融合の組み合わせを神引きしてるじゃん!!」
やったね! この神スキル構成なら処刑エンドを回避して、かなり有利にゲーム世界を進めることができるはず。
一方で、別の転生者の勇者であり、元エリートで地方自治体の首長でもあったアルフレッドは、
「なんでモブキャラの悪役令息があんなに強力なスキルを複数持ってるんだ! しかも俺が目指してる国王エンドを邪魔するような行動ばかり取りやがって!!」
悪役令息のグレイスに対して日々不満を高まらせていた。
なんか俺、勇者のアルフレッドからものすごいヘイト買ってる?
でもまあ、勇者が最強なのは検証が進む前の攻略情報だから大丈夫っしょ。
というわけで、ゲーム知識と神スキル構成で思うままにこのゲーム世界を突き進んでいきます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる