影の暗殺者は復讐のために生きる

白猫

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転生、そして……

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ドクン    ドクン
心臓の鼓動が早い。だんだんと息をするのが苦しくなってくる。呼吸をする度に腹の部分が痛くて熱い…。俺、どうなったんだっけ?
「っ!……はぁ、はぁ、……嘘だろ?……」
(俺…死ぬのか?)
意識が薄れていく。
…そうだ。俺、家に帰る途中で突然、誰かに刺されたんだっけ…。
あぁ、痛てぇ…熱い。でも、何だかだんだん寒くなってくる。
もうそろそろ死ぬんだなぁ。
今思うと、なんで、俺ってこんな災難ばかり、巻き込まれやすいんだろう…。
……くそっ。
生まれ変わったら、今度は……平和に暮らして、幸せになってやる。

俺はその時、完全に意識がなくなってその日、俺は死んだー…。


目を開くと、そこは暗くて何も見えなかった。
(……ここは……どこだ?)
俺は死んだと思っていた。だが、俺は意識があって…。手も足も動ける。
腹も痛くないし熱くない。一体、どうなったんだ?
「あ、あー。よし、声は出るな」
ひゅる
何かが緩んだ音が耳もとに聞こえた。するとだんだん目の前が少し明るくなっていく。
どうやら、何か巻かれていたらしい。
……全然感覚がなかった。普通なら何か巻かれていることはすぐに分かる…だが、何も感じなかった。
(??)
とりあえずここが何処なのか調べよう…。
(部屋だな…でも、マンションでもアパートでもない作りをしている…)
カラン
何かを蹴ってしまった。下を見ると何かの瓶があった。更に目を凝らしてよく見ると、部屋中ゴミだらけでハエが飛び回っていた。
「うぷっ……なんだ、これ。」
まるで、虐待を受けている家や育児放棄をしている家みたいだった。いや、完全にそうだ。
「…俺はなんでここに居るんだ?」
まだ、この状況に頭が追いついていない。自分が何故ここに居てるのか…そもそも、自分は死んでいるはずではなかったのか…。何もかもが分からない。それにあの時の自分は絶対に助からないはずだ…。だったらなぜ、自分はここに居る…。
キィ……
そう考えているうちに扉が開いた。音がした方に顔と体を向けるとそこには見知らぬ男性がいた。見るからにして、30代前後のようだ。
「…ん?……おっ前!!」
「へ?」
男の人は俺のところに早足で近づいてきた。目の前に立つと…男は俺より遥かに高かった。まるで自分が子供になったかのように……。
「…俺が帰って来るまで目元のやつとんなって言ったよな!?あぁ?」
男の人は俺の襟元を掴みそして……俺を殴った。
「ぶふっ!ガハっ!や、やめっ!」
俺を殴る強さは強く、血を吐いてしまった。頭、顔、腹など…何度も殴られる。
苦しい。
痛い、苦しい、痛い、やめてよ…
俺は思わず泣いてしまった。
なんで、殴られなきゃならないのか全く理解できないまま。
「……約束を守らなかった罰だ。三日間、何も食べさせない」
「ガハっ!ガハっ!」
沢山血が出てくる。苦しい…痛い。
(……なんで…)
俺はその日、そのまま眠った。

次の日……目を開けると朝日が部屋全体に差し込む。改めて見るとやはりここは俺の知っている世界と違った。部屋の作りで分かる。
それに……
「…汚ぇ部屋だ」
ゴミだらけ、瓶などもそのままで片付けていない。ハエも飛び回っている。瓶が割れた欠片などもあった。でも、朝日の光で綺麗に光る物が見えた。それを手に持つ。
包丁なのかわからないがとりあえず、刃物だ。
よく見ると、この刃物はまだ、切れ味がいい方であまり錆びていない。
「……」
俺は目の前を真っ直ぐ見る。見ている先には昨日、俺を散々殴った男の背中が見える。その時、俺の何かがプツンと切れた。
(今なら……)
心の奥から怒りと憎しみがフツフツと湧き出る。
頭の中で自分ではない俺が
殺せ、殺せ…と何度も問い掛けてくる。そして、俺の耳元で少年らしい声が聞こえる。
『そいつを殺せ……殺しちゃえ……殺せばお前は自由の身になる…』
俺はその声に従うように音を立てずにテーブルの上に乗り男の頭の上で殺す準備をする。
ドクン ドクン
心臓の鼓動が早くなる。まるであの時みたいに……。でもあの時とは少し違う。この鼓動は何か別の……
『さぁ、その刃物なら……その男を一撃で殺せる…頭の脳の上からおもいっきり刺せば、殺せるよ……その男が起きる前に……さぁ!!殺せ!』
その声のままに……俺は、上からおもいっきりその男の頭の上から刺した。その時の男の顔は見ていない。あぁ、見たかった。どんな顔をしていたのだろうか…。想像するとなんか背筋がゾクゾクした。
グサッ グサッ
何度も俺は男の頭を刺した。ぐちゃぐちゃになっていて、ついでに頭の中はどうなっているのか見たかったから。そうしているといつの間にかに服は血だかけで
ピチャ ピチャ
と顔まで血がついてしまった。
「これ、どうしよう……」
俺は今すぐ風呂に入りたい気分だった。血の匂いで臭い。
そんな時だ。
キィ……
誰かが入ってきた。そこに居たのは20代ぐらいの若い人だった。でも……見ているといかにも怪しい。全身が真っ黒で帽子も深くかぶっていたからだ。
「へぇ。子供が一人で……ふーん。」
そう言うと全身真っ黒な男の人はニヤリと笑い…
「……お前……行くところがないのなら俺と一緒に来るか?」
と言った。俺は、少し考えてみた。
まず、風呂に入りたい。それにこれからを考えると、おじさんの言う通り行くところがない。
だったら……うん。
「行く……お風呂とかある?」
「面白いガキだな。あるぞ」
(ガキじゃねぇし。もう15歳だっての!)
俺は駆け足で男の人の後ろを追いかけたー……。
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