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16 さて、さて、さらに怒られましょう
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朝日が登り始めるのと一緒にうごきだす。彼女に馬に乗せてもらい村が見える所までと戻って来ると入り口にオオカミさんが仁王立ちで待ち構えいた。
「ごめんなさい。オオカミさん……」
馬から降りるのを支えてくれたが返事はなかった。目すら合わせてくれない。
「オオカミ。じゃぁ、私は仕事に戻るから後よろしく」
ヒラヒラと手を振り村の奥へと馬を従えながら去っていった。
「…………」
「オオカミさん……。本当に迷惑かけてごめんなさい」
「…………」
無言のまま、スタスタと歩き出すオオカミさんに慌ててついて行く。
私が寝ていた部屋に戻ってきた。
ふわりと後から抱きしめられた。
「怒ってないの?」
「……怒ってるよ」
初めて聞くぶっきらぼうな声。
「ごめんなさい」
「なんで黙って出ていったの?そんなに頼りない?」
抱きしめられた腕に力が込められて、少し痛い。
「そんな事ない! 私がいたらオオカミさんがっ……」
「何? そんな事考えてたの?」
背後からの声が怖い。
「……ごめんなさい。川に落ちて助けてもらった時にも怒られて…」
「ねぇ、川に落ちてって何?」
「あっ……」
「何してるの? 怪我は?」
いつも優しいオオカミさんが静かに怒っている。怒らないはずがない。黙って勝手に出て行ったのだから。でも、口を開く度に墓穴をほっている気がする。
「…してない。大丈夫。喉が渇いて飲もうとしたら滑って……。あの、心配かけて…」
「本当だよ。どんだけ心配したと思ってるの?心配しすぎて心臓潰れるかと思ったよ」
「……本当に、ごめんなさい」
「本当に……。 赤頭巾は、僕から離れたらどうなるかしっかり覚えとかないとね」
その言葉に背筋を氷柱で撫でられたように悪寒が走る。
そーっと振り返ろうと顔を動かすと耳を齧られ身体がビックっと跳ねる。
「しっかり覚えてね」
耳に熱い息を吹き込むように囁かれ足元がふらつく。
「あぁ、これでふらついてたら最後までもたないかもね。頑張ってね」
えっと……何を頑張るの? 意地の悪い声でまた、囁かれさっきの悪寒とはまた違うゾクリとした快感が走る。変な気持ちになっている自分が不謹慎で嫌になる。謝らないと。まだ、許してももらっていないのに……。ちゃんとしないと。すぅっと息を吸い込み覚悟を決める。
「覚えたら、オオカミさんは私を嫌わない? 」
「まだ、そんな事言う? 僕は、何があっても赤頭巾を嫌うことなんてないよ」
「でも…、私」
はぁ、と溜息をつかれグルんと向きが変わりオオカミさんと向かい合わせになる。
「赤頭巾には、いっぱい教えてあげた方が良さそうだね」
満面の笑みになんとも言えない恐怖を感じた。
「ごめんなさい。オオカミさん……」
馬から降りるのを支えてくれたが返事はなかった。目すら合わせてくれない。
「オオカミ。じゃぁ、私は仕事に戻るから後よろしく」
ヒラヒラと手を振り村の奥へと馬を従えながら去っていった。
「…………」
「オオカミさん……。本当に迷惑かけてごめんなさい」
「…………」
無言のまま、スタスタと歩き出すオオカミさんに慌ててついて行く。
私が寝ていた部屋に戻ってきた。
ふわりと後から抱きしめられた。
「怒ってないの?」
「……怒ってるよ」
初めて聞くぶっきらぼうな声。
「ごめんなさい」
「なんで黙って出ていったの?そんなに頼りない?」
抱きしめられた腕に力が込められて、少し痛い。
「そんな事ない! 私がいたらオオカミさんがっ……」
「何? そんな事考えてたの?」
背後からの声が怖い。
「……ごめんなさい。川に落ちて助けてもらった時にも怒られて…」
「ねぇ、川に落ちてって何?」
「あっ……」
「何してるの? 怪我は?」
いつも優しいオオカミさんが静かに怒っている。怒らないはずがない。黙って勝手に出て行ったのだから。でも、口を開く度に墓穴をほっている気がする。
「…してない。大丈夫。喉が渇いて飲もうとしたら滑って……。あの、心配かけて…」
「本当だよ。どんだけ心配したと思ってるの?心配しすぎて心臓潰れるかと思ったよ」
「……本当に、ごめんなさい」
「本当に……。 赤頭巾は、僕から離れたらどうなるかしっかり覚えとかないとね」
その言葉に背筋を氷柱で撫でられたように悪寒が走る。
そーっと振り返ろうと顔を動かすと耳を齧られ身体がビックっと跳ねる。
「しっかり覚えてね」
耳に熱い息を吹き込むように囁かれ足元がふらつく。
「あぁ、これでふらついてたら最後までもたないかもね。頑張ってね」
えっと……何を頑張るの? 意地の悪い声でまた、囁かれさっきの悪寒とはまた違うゾクリとした快感が走る。変な気持ちになっている自分が不謹慎で嫌になる。謝らないと。まだ、許してももらっていないのに……。ちゃんとしないと。すぅっと息を吸い込み覚悟を決める。
「覚えたら、オオカミさんは私を嫌わない? 」
「まだ、そんな事言う? 僕は、何があっても赤頭巾を嫌うことなんてないよ」
「でも…、私」
はぁ、と溜息をつかれグルんと向きが変わりオオカミさんと向かい合わせになる。
「赤頭巾には、いっぱい教えてあげた方が良さそうだね」
満面の笑みになんとも言えない恐怖を感じた。
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