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初めてのケンカ?1
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些細なことでオオカミさんとケンカしてしまった。と言うか、私が一方的に拗ねている……。
いや、でもオオカミさんも悪いと思う。原因はそっちにもある。だから素直に謝る気にもなれない。家に帰る気にもなれずブラブラと街を歩く。
原因は、オオカミさんが街でたまたま助けた女性だった。
お礼がしたいと私とオオカミさんの住む家を探し出しほぼ毎日やってくる。彼女は、当たり前のようにオオカミさんにまとわりつき私が居るのを分かっているはずなのに空気のように扱った。彼女がオオカミさんに好意があるのはその態度で分かりきっていた。
オオカミさんは、気づいているのかいないのか何も言わず、申し訳なさそうにするだけだった。
そして、あろう事か私が買い物で留守の間に彼女は自分の家のように掃除をし台所で料理をしていた。彼女と目が合った瞬間が今も焼き付いている。勝ち誇ったような意地の悪い笑みを浮かべ、言葉はなかったけれどお前はもう要らないと言われたようでそのまま飛び出してきてしまった。
オオカミさんも私が出ていったのに気づいたはずなのに追いかけてくる気配もなかった。
ベンチに腰掛け街をただボーッと眺める。
忙しく行き交う人々……。大人も子供も老人も皆楽しそうに見えて、自分だけが不幸の中にいるように感じてしまう。
「オオカミさんと私の家なのに……」
また、悲しみとドロドロとした真っ黒な感情が混ざりあってぐちゃぐちゃに溢れ涙が頬を伝う。
何もせず、ただ逃げただけの自分……。
前と何も変わらない。
もう、来ないでほしいとハッキリ言ってもいい?本当は、その言葉をオオカミさんから直接彼女に言ってほしい。
けれど、オオカミさんは、彼女の方が良いとか思っているんだろうか?
もしかしたらそうかもしれない。追いかけてこないのが答えなのかもしれない。今頃、2人で邪魔者がいなくて楽しくしてるんだろうか?
だったら、私は…………。
いやだ……。こんな事ばっかり考えてしまう自分。
戻って彼女に迷惑だと言ってみよう。オオカミさんが彼女を庇うなら…。
それで、ハッキリする。
逃げてても前に進まない。
うん。どっちにしても白黒つけてスッキリしよう。
決意をして立ち上がり家へと戻る。意思が揺らがないうちに。
家のドアの前で大きく深呼吸をして気持ちを落ち着かせた。
ドアを開ける。
入口に落としていってしまった野菜は片付けられたようだ。部屋を見渡すと2人の姿がない。
少し拍子抜けしてしまうのと同時に不安が広がる。
どこ?
奥の部屋?
嫌な予感が胸を締め付けた。自分の心臓が警鐘のように強く鳴り始め不安を煽る。耳鳴りがして地に足がつかない。
導くようにカタッと奥の部屋から音が聞こえる。
そこはオオカミさんと私が使っているベッドがある部屋。そこで音がするという事は……そういう事。
震える手をドアにかけゆっくりと開くと、自分の不安が当たってしまった事に思わず後ずさりする。
予感はしていたものの、目の前に映るものが現実だと信じられず、息が凍る。
オオカミさんが彼女をベッドへと押し倒していた。ドアが開く気配でこちらに気づいたオオカミさんの目が見開き口を開こうとするが、彼女に首に手を回されそのまま吸い込まれるように口付けをした。
あぁ……。
足元からひび割れ真っ逆さまに堕ちていくようだ。
現実を突きつけられ考えるよりも早く、そのまま外へと飛び出した。
もう、これでハッキリとしたんだ。
いや、でもオオカミさんも悪いと思う。原因はそっちにもある。だから素直に謝る気にもなれない。家に帰る気にもなれずブラブラと街を歩く。
原因は、オオカミさんが街でたまたま助けた女性だった。
お礼がしたいと私とオオカミさんの住む家を探し出しほぼ毎日やってくる。彼女は、当たり前のようにオオカミさんにまとわりつき私が居るのを分かっているはずなのに空気のように扱った。彼女がオオカミさんに好意があるのはその態度で分かりきっていた。
オオカミさんは、気づいているのかいないのか何も言わず、申し訳なさそうにするだけだった。
そして、あろう事か私が買い物で留守の間に彼女は自分の家のように掃除をし台所で料理をしていた。彼女と目が合った瞬間が今も焼き付いている。勝ち誇ったような意地の悪い笑みを浮かべ、言葉はなかったけれどお前はもう要らないと言われたようでそのまま飛び出してきてしまった。
オオカミさんも私が出ていったのに気づいたはずなのに追いかけてくる気配もなかった。
ベンチに腰掛け街をただボーッと眺める。
忙しく行き交う人々……。大人も子供も老人も皆楽しそうに見えて、自分だけが不幸の中にいるように感じてしまう。
「オオカミさんと私の家なのに……」
また、悲しみとドロドロとした真っ黒な感情が混ざりあってぐちゃぐちゃに溢れ涙が頬を伝う。
何もせず、ただ逃げただけの自分……。
前と何も変わらない。
もう、来ないでほしいとハッキリ言ってもいい?本当は、その言葉をオオカミさんから直接彼女に言ってほしい。
けれど、オオカミさんは、彼女の方が良いとか思っているんだろうか?
もしかしたらそうかもしれない。追いかけてこないのが答えなのかもしれない。今頃、2人で邪魔者がいなくて楽しくしてるんだろうか?
だったら、私は…………。
いやだ……。こんな事ばっかり考えてしまう自分。
戻って彼女に迷惑だと言ってみよう。オオカミさんが彼女を庇うなら…。
それで、ハッキリする。
逃げてても前に進まない。
うん。どっちにしても白黒つけてスッキリしよう。
決意をして立ち上がり家へと戻る。意思が揺らがないうちに。
家のドアの前で大きく深呼吸をして気持ちを落ち着かせた。
ドアを開ける。
入口に落としていってしまった野菜は片付けられたようだ。部屋を見渡すと2人の姿がない。
少し拍子抜けしてしまうのと同時に不安が広がる。
どこ?
奥の部屋?
嫌な予感が胸を締め付けた。自分の心臓が警鐘のように強く鳴り始め不安を煽る。耳鳴りがして地に足がつかない。
導くようにカタッと奥の部屋から音が聞こえる。
そこはオオカミさんと私が使っているベッドがある部屋。そこで音がするという事は……そういう事。
震える手をドアにかけゆっくりと開くと、自分の不安が当たってしまった事に思わず後ずさりする。
予感はしていたものの、目の前に映るものが現実だと信じられず、息が凍る。
オオカミさんが彼女をベッドへと押し倒していた。ドアが開く気配でこちらに気づいたオオカミさんの目が見開き口を開こうとするが、彼女に首に手を回されそのまま吸い込まれるように口付けをした。
あぁ……。
足元からひび割れ真っ逆さまに堕ちていくようだ。
現実を突きつけられ考えるよりも早く、そのまま外へと飛び出した。
もう、これでハッキリとしたんだ。
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