勘違い(仮タイトル)

mare

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 ナゼこうなった?

 何度自問自答しても分からない。

 何故なら、目の前には私のお気に入りのソファーに笹山が寛いでいる。

 何度となく、コーヒーを入れながら盗み見てもソコには笹山が座っている。

 今は、帰りに外食を済ませ、お互いにスーツから部屋着に着替えた所だ。

 とりあえず、気を紛らわす為にコーヒーを入れている。


 やっぱり、現実よね……。

 
 会社帰りに、笹山に捕まりそのままあれよあれよと自宅に上がりこまれてしまった。

 笹山の言い分としては、実家に挨拶に行くのにあと2日。金曜日はお互い仕事。土曜日は休み。この短い間に付き合ってるように少しでも見えるようにしないといけない。なら、私の部屋に泊まってそのまま実家に行けばいいと言う。

 こっちがお願いした事だから断りにくい。

 それもある、確かに。
 それも理由ではあるけれど。

 それ以上に……昨日のキス。


 指で笹山の触れた唇をなぞる、それだけで身体がザワつく。

 その自分の動きにハッとなり気恥しさが込み上げた。

 ただ、笹山と唇を触れ合った、それだけの行為が、こんなにも自分を翻弄する。

 思い出しては、1人ソワソワする。目の前のアイツは普段通り。

 それは、それでなんか癪だ。

 顔に出すな、落ち着け。
 私は、キスひとつぐらいで動揺なんてしない。

 そう、たかがキスだ。

 息を吸い込みカップを持ち近づく。

「はい。コーヒー」
 

 笹山にカップを渡し、笹山から少し離れてソファーを背もたれにして自分はラグの上に座る。

 気まづい沈黙。
 そう、思うのは私だけ?

「夏希さんの部屋でコーヒーをゆっくり飲める日が来るなんて」

 視線がこちらに向いた気がするけれど、笹山を見てしまうと負けてしまう気がしてカップの中のコーヒーを見つめ続ける。

「先に言っときますけど。俺、本気で夏希さんと付き合いたいとおもってますからね」


 不意を突かれ、反応していいのか分からず固まってしまう。


「あ、やっぱり本気にしてない」

「いや。誰が本気にするのよ。あんなの」

「ひどいなぁ」


 そう言いながら、不意に笹山が動いたかと思うと、背後から持っていたコーヒーカップを奪われテーブル置いた。


「え、ちょっ――!」


もたれていた背とソファーの間に無理やり笹山が入り込み抱きしめられた。


「とりあえず、このまま作戦会議始めましょうか」




 
 
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