43 / 57
第2章.幻想
41.進化先
しおりを挟む
これは…ベリアルと最初に会った時と同じ…。
「早すぎるでしょ…もう進化なの…?」
サキさんが呟く。
「進化?」
「そう。パートナーはLv25になると進化するの。聞こえなかった? Lvが最大に達したって?」
確かに聞こえた気がする…。でも…その他にも何か聞こえた様な…?
私は首を傾ける。
「おい…今進化って言ったか?」
「言ってた…嘘でしょ?」
「まだこのゲーム始めて1週間なんだろ?」
「ふざけんな…俺やっと最近進化したのに…!!」
周りから視線が痛い…。そこまですごい事なのだろうか…? よく分からない。
私がそんな事を考えている間に、卵は割れる。
パカーン!!
割れた瞬間、光が溢れる。
ま、眩しい…。
「ギヒヒッ!」
そこには私と同じくらいの身長のベリアルがいた。背中には4対のコウモリの様な翼。2本の三叉槍を背負っている。身体は前よりも筋肉がついた様だ。少しゴツゴツしている。
「べ、ベリアル?」
さっきまで私の半分ぐらいしかなかったのに…。
私はあまりの変わり様に最後にクエスチョンマークがつく。
(どうしたの~? スプリング?)
と心配そうな顔で見てくるベリアル。
うん。変わらない。この子ベリアル。
この可愛い子はウチの子です。
「嘘でしょ…」
サキさんが顎が外れるのではないかと言うほどに口をポカーンと開けている。周りの人達も開いた口が戻らない。
「あの、どうかしたんですか?」
「…普通はそんなに姿形は変わらない筈なの。」
「え?」
そうなの?ウチの子身長高くなってる上に、翼と槍も増えてるんですけど?
「何か他に頭の中で言われなかった?」
サキさんは真顔になって、迫ってくる。
さ、流石ゲーマー。こういう所を見ると本当にゲーム好きなんだなぁって思うよ。
「何か、ないんですか?」
サキさんがもう1度聞いてくる。
い、現実ではこの子、一応後輩の筈なんだけど…怖い。
「えーと、んーと…そういえば条件を満たしたとか、何とか言われた気がします。」
私が考えた末に言うと、下を向いて考えている様だ。"条件…"とか言ってるし。
(スプリング~! 俺の事、【鑑定】してみて!)
とベリアルが興奮する様に急かす。
何だろう? まぁ、やってみようか。
名前: ベリアル
種族: インプヒーロー
レベル: 1
体力: 100
SP:150
ステータス:
力: 95 防御: 0 敏捷: 60 魔力: 115 幸運: 0
状態: 普通
親交度:90
スキル
【魔力制御】Lv3 up
【闇魔術】Lv4 up
【いたずら】Lv3 up
「ファッ!?」
私の口から変な声が出る。
ベリアルのステータスが軒並み上がってる!?
スキルも!?しかも何より…種族が…
「インプヒーローになってる!!」
(凄いでしょ~!!)
(なんですかそれ!?)
ソーマも驚いて、ベリアルの周りを飛んでいる。
なんだろ? サキさんが姿とかそんなに変わらないって言ってたからこのインプヒーローって、もしかして凄い種族なのかな?
私がそんな事を思っていると、
「おい…アンタ…インプヒーローって言ったか?」
私に1人男の人が話しかけてきた。その人はスキンヘッドで大きな盾を背負っており、近くに恐らくパートナーである犬がいた。その犬はゼブラ柄の模様をしている。可愛い。
「そうだけど?」
私が答えると、男は少し黙った後に呟いた。
「…ヒーロー種が出たか…。」
男の眉間に皺が寄る。
「何それ?」
そんな深刻そうな顔してるけど…まずいの?
「…俺が進化先について教えよう。」
男はそう言うと地面に何かを書き出す。
「パートナーの進化先には5つの種族がある。ソルジャー種、タンク種、マジシャン種、サポート種、そしてヒーロー種だ。
全部で6つの種類があるのか。
「ソルジャーは攻撃、タンクは防御、マジシャンは魔法、サポートは援護が得意と言った風にそれに合わせて進化を遂げる。」
ふむふむふむ。あれ? じゃあヒーロー種は?
私の考えが顔に出ていたのだろうか、男は笑って言った。
「その中でも特殊なのがヒーロー種だ。」
男は立ち上がり、私に向かって2本指を立てる。
「ヒーロー種はまだプレイヤーの中でも、2人しか進化させた事がない。1人はこのゲームの中でも最強と言われている『無力』。もう1人はソシャールを襲った、何百もの魔物を単独で全滅させた『幻想姫』…アンタ達の2人だけだ。」
男は私を見て、呆れる様に笑った。
「早すぎるでしょ…もう進化なの…?」
サキさんが呟く。
「進化?」
「そう。パートナーはLv25になると進化するの。聞こえなかった? Lvが最大に達したって?」
確かに聞こえた気がする…。でも…その他にも何か聞こえた様な…?
私は首を傾ける。
「おい…今進化って言ったか?」
「言ってた…嘘でしょ?」
「まだこのゲーム始めて1週間なんだろ?」
「ふざけんな…俺やっと最近進化したのに…!!」
周りから視線が痛い…。そこまですごい事なのだろうか…? よく分からない。
私がそんな事を考えている間に、卵は割れる。
パカーン!!
割れた瞬間、光が溢れる。
ま、眩しい…。
「ギヒヒッ!」
そこには私と同じくらいの身長のベリアルがいた。背中には4対のコウモリの様な翼。2本の三叉槍を背負っている。身体は前よりも筋肉がついた様だ。少しゴツゴツしている。
「べ、ベリアル?」
さっきまで私の半分ぐらいしかなかったのに…。
私はあまりの変わり様に最後にクエスチョンマークがつく。
(どうしたの~? スプリング?)
と心配そうな顔で見てくるベリアル。
うん。変わらない。この子ベリアル。
この可愛い子はウチの子です。
「嘘でしょ…」
サキさんが顎が外れるのではないかと言うほどに口をポカーンと開けている。周りの人達も開いた口が戻らない。
「あの、どうかしたんですか?」
「…普通はそんなに姿形は変わらない筈なの。」
「え?」
そうなの?ウチの子身長高くなってる上に、翼と槍も増えてるんですけど?
「何か他に頭の中で言われなかった?」
サキさんは真顔になって、迫ってくる。
さ、流石ゲーマー。こういう所を見ると本当にゲーム好きなんだなぁって思うよ。
「何か、ないんですか?」
サキさんがもう1度聞いてくる。
い、現実ではこの子、一応後輩の筈なんだけど…怖い。
「えーと、んーと…そういえば条件を満たしたとか、何とか言われた気がします。」
私が考えた末に言うと、下を向いて考えている様だ。"条件…"とか言ってるし。
(スプリング~! 俺の事、【鑑定】してみて!)
とベリアルが興奮する様に急かす。
何だろう? まぁ、やってみようか。
名前: ベリアル
種族: インプヒーロー
レベル: 1
体力: 100
SP:150
ステータス:
力: 95 防御: 0 敏捷: 60 魔力: 115 幸運: 0
状態: 普通
親交度:90
スキル
【魔力制御】Lv3 up
【闇魔術】Lv4 up
【いたずら】Lv3 up
「ファッ!?」
私の口から変な声が出る。
ベリアルのステータスが軒並み上がってる!?
スキルも!?しかも何より…種族が…
「インプヒーローになってる!!」
(凄いでしょ~!!)
(なんですかそれ!?)
ソーマも驚いて、ベリアルの周りを飛んでいる。
なんだろ? サキさんが姿とかそんなに変わらないって言ってたからこのインプヒーローって、もしかして凄い種族なのかな?
私がそんな事を思っていると、
「おい…アンタ…インプヒーローって言ったか?」
私に1人男の人が話しかけてきた。その人はスキンヘッドで大きな盾を背負っており、近くに恐らくパートナーである犬がいた。その犬はゼブラ柄の模様をしている。可愛い。
「そうだけど?」
私が答えると、男は少し黙った後に呟いた。
「…ヒーロー種が出たか…。」
男の眉間に皺が寄る。
「何それ?」
そんな深刻そうな顔してるけど…まずいの?
「…俺が進化先について教えよう。」
男はそう言うと地面に何かを書き出す。
「パートナーの進化先には5つの種族がある。ソルジャー種、タンク種、マジシャン種、サポート種、そしてヒーロー種だ。
全部で6つの種類があるのか。
「ソルジャーは攻撃、タンクは防御、マジシャンは魔法、サポートは援護が得意と言った風にそれに合わせて進化を遂げる。」
ふむふむふむ。あれ? じゃあヒーロー種は?
私の考えが顔に出ていたのだろうか、男は笑って言った。
「その中でも特殊なのがヒーロー種だ。」
男は立ち上がり、私に向かって2本指を立てる。
「ヒーロー種はまだプレイヤーの中でも、2人しか進化させた事がない。1人はこのゲームの中でも最強と言われている『無力』。もう1人はソシャールを襲った、何百もの魔物を単独で全滅させた『幻想姫』…アンタ達の2人だけだ。」
男は私を見て、呆れる様に笑った。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
人質5歳の生存戦略! ―悪役王子はなんとか死ぬ気で生き延びたい!冤罪処刑はほんとムリぃ!―
ほしみ
ファンタジー
「え! ぼく、死ぬの!?」
前世、15歳で人生を終えたぼく。
目が覚めたら異世界の、5歳の王子様!
けど、人質として大国に送られた危ない身分。
そして、夢で思い出してしまった最悪な事実。
「ぼく、このお話知ってる!!」
生まれ変わった先は、小説の中の悪役王子様!?
このままだと、10年後に無実の罪であっさり処刑されちゃう!!
「むりむりむりむり、ぜったいにムリ!!」
生き延びるには、なんとか好感度を稼ぐしかない。
とにかく周りに気を使いまくって!
王子様たちは全力尊重!
侍女さんたちには迷惑かけない!
ひたすら頑張れ、ぼく!
――猶予は後10年。
原作のお話は知ってる――でも、5歳の頭と体じゃうまくいかない!
お菓子に惑わされて、勘違いで空回りして、毎回ドタバタのアタフタのアワアワ。
それでも、ぼくは諦めない。
だって、絶対の絶対に死にたくないからっ!
原作とはちょっと違う王子様たち、なんかびっくりな王様。
健気に奮闘する(ポンコツ)王子と、見守る人たち。
どうにか生き延びたい5才の、ほのぼのコミカル可愛いふわふわ物語。
(全年齢/ほのぼの/男性キャラ中心/嫌なキャラなし/1エピソード完結型/ほぼ毎日更新中)
ゲームの悪役パパに転生したけど、勇者になる息子が親離れしないので完全に詰んでる
街風
ファンタジー
「お前を追放する!」
ゲームの悪役貴族に転生したルドルフは、シナリオ通りに息子のハイネ(後に世界を救う勇者)を追放した。
しかし、前世では子煩悩な父親だったルドルフのこれまでの人生は、ゲームのシナリオに大きく影響を与えていた。旅にでるはずだった勇者は旅に出ず、悪人になる人は善人になっていた。勇者でもないただの中年ルドルフは魔人から世界を救えるのか。
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
地味な薬草師だった俺が、実は村の生命線でした
有賀冬馬
ファンタジー
恋人に裏切られ、村を追い出された青年エド。彼の地味な仕事は誰にも評価されず、ただの「役立たず」として切り捨てられた。だが、それは間違いだった。旅の魔術師エリーゼと出会った彼は、自分の能力が秘めていた真の価値を知る。魔術と薬草を組み合わせた彼の秘薬は、やがて王国を救うほどの力となり、エドは英雄として名を馳せていく。そして、彼が去った村は、彼がいた頃には気づかなかった「地味な薬」の恩恵を失い、静かに破滅へと向かっていくのだった。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる