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第3章.道
54.男の子
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「や、や、やっと着いた…」
(スプリング~、本当にありがとー)
「い、良いんだよ、ベリアル。私がしたかった事だから…」
私はソシャールの門を潜った所で倒れていた。
ふっ。体力10の私だと、こんなもんよ。でも、傷ついたベリアルを置いていく事は出来なかったし、仕方ないよね。名誉の傷? ってところかな。はっはっはっ。
(すみません。僕が運べたら良かったんですけど…)
「ソーマ…いいよ。気にしないで」
ソーマ、人型になってもっと可愛らしさが増したね。もう何も言えないよ。
そのソーマは空中でクルクル回りながら、顎に手を当てて何かを考えている様だ。
ソーマがはっ! とした顔をすると私に振り向く。
(ベリアルさんの事を【影魔術】で運べば良かったんじゃないですか!)
「あっ……」
「…いやー、これから体力回復するまであそこのベンチで少し休もうか」
私は立ち上がって、ベンチを指差す。
(スプリングさん!?)
ソーマは驚きの表情を浮かべている。
えっ、何? そんな事思い浮かんでたよ。当たり前じゃん。でも、ほら! なんか、ベリアルの温もりを感じたかったというか…うん。決して思い浮かばなかったという訳ではない。
「ふぅ~」
私は大きく息を吐く。
疲れたなぁ。ゲームの中でもまさかここまで疲れを感じるとは。運動した気分になれるね。
そんな事を思いながら遠くを見ていると、1人の男の子が私に近づく。
「あの…」
男の子の身長は私と同じくらい。髪はボサボサで顔がよく見えないが、首の真ん中に太陽のタトゥーが入っている。
この子もプレイヤーなんだ。
「どうしたの? 何か困り事?」
私が聞くと、男の子はモジモジとしている。
「あ、あの違うくて…貴方は"幻想姫"さんで合ってますか?」
「え?」
男の子から発せられた言葉は、まさかの"幻想姫"。まさかこんな男の子にも知られているとは思っていなかったなぁ。
私があまりの恥ずかしさに顔を梅干しの様に顰めていると、
「ち、違いましたかね…」
男の子はシュンとして、視線を地面に下ろす。
「あー! ごめんごめん! そう! 私が"幻想姫"なんだ! で、私に何か用?」
「あ、あの良ければなんですけど、僕とスクショを撮ってくれたりしませんか!?」
私のファンか何かかい? いやー、悪くないねぇ。
「全然良いよ!」
私はそう答えると、男の子の隣に立ってスクショを撮る。
「あ、ありがとうございます!!」
男の子は笑顔でそこから去っていった。
私は男の子の愛らしさに一瞬、目が眩んだ。
可愛いなぁ…はっ!! いや、私にはベリアルとソーマという心に決めた相手が!! 何を揺らいでるの!?
私は何分かそこで休憩、もとい悶々とした後、始まりの街に戻る為"純麗な森"へと入った。
するとそこには、
「おい! あれ!!」
「やっと会えましたね」
「やっと! やっとだ!!」
「おい! 早くあの人の役に立つぞ」
「おう!」
そこにはヤバそうな人達がいた。
(スプリング~、本当にありがとー)
「い、良いんだよ、ベリアル。私がしたかった事だから…」
私はソシャールの門を潜った所で倒れていた。
ふっ。体力10の私だと、こんなもんよ。でも、傷ついたベリアルを置いていく事は出来なかったし、仕方ないよね。名誉の傷? ってところかな。はっはっはっ。
(すみません。僕が運べたら良かったんですけど…)
「ソーマ…いいよ。気にしないで」
ソーマ、人型になってもっと可愛らしさが増したね。もう何も言えないよ。
そのソーマは空中でクルクル回りながら、顎に手を当てて何かを考えている様だ。
ソーマがはっ! とした顔をすると私に振り向く。
(ベリアルさんの事を【影魔術】で運べば良かったんじゃないですか!)
「あっ……」
「…いやー、これから体力回復するまであそこのベンチで少し休もうか」
私は立ち上がって、ベンチを指差す。
(スプリングさん!?)
ソーマは驚きの表情を浮かべている。
えっ、何? そんな事思い浮かんでたよ。当たり前じゃん。でも、ほら! なんか、ベリアルの温もりを感じたかったというか…うん。決して思い浮かばなかったという訳ではない。
「ふぅ~」
私は大きく息を吐く。
疲れたなぁ。ゲームの中でもまさかここまで疲れを感じるとは。運動した気分になれるね。
そんな事を思いながら遠くを見ていると、1人の男の子が私に近づく。
「あの…」
男の子の身長は私と同じくらい。髪はボサボサで顔がよく見えないが、首の真ん中に太陽のタトゥーが入っている。
この子もプレイヤーなんだ。
「どうしたの? 何か困り事?」
私が聞くと、男の子はモジモジとしている。
「あ、あの違うくて…貴方は"幻想姫"さんで合ってますか?」
「え?」
男の子から発せられた言葉は、まさかの"幻想姫"。まさかこんな男の子にも知られているとは思っていなかったなぁ。
私があまりの恥ずかしさに顔を梅干しの様に顰めていると、
「ち、違いましたかね…」
男の子はシュンとして、視線を地面に下ろす。
「あー! ごめんごめん! そう! 私が"幻想姫"なんだ! で、私に何か用?」
「あ、あの良ければなんですけど、僕とスクショを撮ってくれたりしませんか!?」
私のファンか何かかい? いやー、悪くないねぇ。
「全然良いよ!」
私はそう答えると、男の子の隣に立ってスクショを撮る。
「あ、ありがとうございます!!」
男の子は笑顔でそこから去っていった。
私は男の子の愛らしさに一瞬、目が眩んだ。
可愛いなぁ…はっ!! いや、私にはベリアルとソーマという心に決めた相手が!! 何を揺らいでるの!?
私は何分かそこで休憩、もとい悶々とした後、始まりの街に戻る為"純麗な森"へと入った。
するとそこには、
「おい! あれ!!」
「やっと会えましたね」
「やっと! やっとだ!!」
「おい! 早くあの人の役に立つぞ」
「おう!」
そこにはヤバそうな人達がいた。
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