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第3章 (2)ユウside
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しおりを挟む好きだった女の子と再会した。
その子は元々、同じ町に住んでいた五つ年下の女の子。
初めて会ったのは彼女が13歳、僕が18歳の時。
彼女は病弱な母親に代わって働きたいと、僕が初めて就職した飲食店にやって来た。
お母さん想いの優しい彼女。
特別に美人ではないけど、何事にも一生懸命で見ていると何だか僕の方が元気をもらった。
就職したてで自信がなかった僕は、彼女の笑顔にいつも癒されて……。
最初は妹のように可愛がっていた彼女を、次第に僕は好きになっていったんだ。
……けれど。彼女は17歳の時に、突然町からいなくなった。
母親が亡くなり、彼女はずっと疎遠だった祖父に引き取られたのだと……。僕は暫くしてから知った。
後悔した。
何故もっと早くに、気持ちを伝えなかったのだと……。
職場に行けば毎日の様に会えるという余裕から、僕は当たり前の日々に満足してしまっていた。
彼女の笑顔が目の前から消えてしまう日が来るなんて、考えもしていなかった。
……アカリ。
アカリには、もう会えないのか?
いつも心の何処かで彼女を探していた。
そんな生活が1年以上続いたある日。
勤めていた飲食店で、新しく始める職場の手伝いをしてほしいと言われ……。
僕はこの港街のパン屋さんに移動が決まった。
でも、何も変わらない。
ただ普通に過ぎて行く毎日。
退屈な日々。
……そんな中。
ついに僕は、君を見付けた。
しかも、僕の勤めるパン屋さんで彼女が働く事になっていた。
また一緒に働ける。
奇跡としか思えない再会に、僕の胸は高鳴った。
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