夢の言葉と陽だまりの天使（上）【続編②】

第３章 （２）ユウside

２-２

〈回想シーン〉
【港街/パン屋さん】

今日はアカリが初めての出勤。
少しでも長く一緒に居たかった僕が彼女の指導係を申しでると、”昔の知り合い”という事で店長は二つ返事で了解してくれて……。
僕は朝から楽しみで仕方なかった。


「おはよう、アカリ！
お！似合ってるじゃん、制服」

「えへへっ、ありがとうございます。
今日からよろしくお願いします！」

僕が制服姿を褒めると、アカリは昔みたいに可愛い笑顔を見せてくれる。

昔と変わらない彼女。
素直で、一生懸命で、一緒に居ると楽しくて。
僕はやっぱりアカリの事が好きだと思った。

昼前から夕方までの短時間勤務のアカリと。
開店から閉店までの長時間勤務の僕。
帰りは一緒に帰る事は出来ないから、僕は貴重な休憩時間にいつも彼女を捕まえて話をしていた。


休憩室だと他の従業員の女の子達もいるから、なかなかプライベートの話は出来ない。
大体は仕事の話ばかりだけど、僕を頼りにして調理や接客の事を色々聞いてきてくれるアカリが可愛くて仕方ない。
無邪気さの中に、以前より少しだけ大人の女性の色気が漂っている気がして……。
僕はいつもドキドキしてアカリを見ていた。

そんな僕の態度に気付いて、
「ユウさんはアカリさんの事が好きなんですか？」と、店長や他の従業員にはバレバレだった。

「告白しちゃえばいいのに！」
「せっかく再会出来たんでしょう？」
と、みんなに言われたけど……。
再会して間もない僕はなかなか勇気が出ない。

……。
…………。

すると……。
「よし！じゃあ私達がアカリさんに好きな人がいるか聞いてあげますよ！」

アカリが働きに来て一週間経った今日。
僕の応援をしてくれていた女の子達が、仕事帰りのアカリを引き止めて話し始めた。