夢の言葉と陽だまりの天使（上）【続編②】

第４章 （１）アカリside

１-４

【朝のミーティング】

出勤したみんなが集まって今日1日の予定が店長から発表される。
従業員が整列する前に、店長とユウさんとヴァロンの三人が立っているが……。
女性従業員達はもうみんな、ヴァロンしか見てない気がする。


「……と、言う事で。
今日はとても忙しくなると思いますが、みんなで頑張りましょう！
そして、彼は今日1日お手伝いしてくれる助っ人さんです。
みんな、良い男だからって仕事そっちのけにしちゃダメよ～？」

店長はみんなにクギを刺すようにそう言うと、ヴァロンに自己紹介をするようにすすめた。
彼は頷いて、一歩前へ出ると爽やかオーラ全開の笑顔を向ける。


「ギルバートと言います。
今日1日、皆さんと一緒に楽しく仕事出来たらいいなと思ってます。
気軽にギルって呼んで下さい。
よろしくお願いします！」

彼が頭を下げると、女の子達は物凄い拍手と共に「よろしくお願いしま～す！」と甘い声で挨拶を返していた。


ギルバート。
”ギル”って、私のお父さんの名前。

あの口調も、表情も……。
もしかしてお父さんを真似てるのかな？
そう思うと、思わず笑ってしまう。


そして、黒髪に黒い瞳の彼は……。
幼い日に私に猫バロンをくれたあの時と一緒の姿で、私の初恋を思い出させてくれた。

幼い日には気付かなかったけど……。
私の恋は、あの時から始まっていたんだと実感する。

……
…………。