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第4章 (1)アカリside
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しおりを挟む今日の私の担当は調理。
厨房でパンを焼いたり注文が入ったサンドイッチを作る仕事。
ヴァロンは表の接客だから、残念だけど一緒に働いていても遠い。
厨房のガラス戸から、パンが並べられた店内を見ると……。
すごいお客さんの数!
絶対にイベントのせいだけじゃなくて、表でヴァロンが呼び込みやお客さんにオススメの声掛けしてるからだ。
……私も、表の仕事がよかったな。
普段は接客より調理の仕事の方が好き。
でも、今日は……ヴァロンがいるなら同じ担当がよかった。
少ししゅん、としながらパンの生地をこねていると……。
私が調理している側のガラス戸がコンコン!と叩かれた。
その音に反応して顔を上げると……。
「!っ……」
ガラス戸の向こうに、いつの間にか近くに来ていたヴァロンの姿。
制服姿のヴァロン。
近くで見るとますます格好良い。
ドキドキして思わず固まってしまう私。
ヴァロンはそんな私を見てぷっと笑うと、ガラス戸を少し開けて注文用紙を差し出した。
「すみません。
お客様からの注文が入ったのでよろしくお願いします」
「!っ……あ。は、はいっ!」
ハッとした私が注文用紙を受け取ると、その注文用紙に小さな付箋が貼られている。
”制服良く似合ってる、可愛い。”……。
……っ~~。
私がヴァロンに視線を戻すと、接客に戻ろうとする彼が顔だけ私の方を向けてパチッとウインクしてくれた。
っ……もう。
ホント、敵わないよ。
ヴァロンの一言で、馬鹿みたいに浮かれちゃう。
彼に褒めてほしくて、いつも以上に頑張ってしまう自分がいた。
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