片翼を君にあげる④

☆リサーナ☆

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第1章(2)ツバサside

2-1

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……
…………。

……ーー…………っ、……こ、こ……は?

何かにサワッと頬を撫でられて、俺は目を覚ました。
うっすらと瞼を開けると、眩しい光に思わず反射的に目をもう一度閉じた。そして、今度はゆっくりと徐々に瞼を明けていくと……目の前にあるのは緑。
手を動かし握ると、それが草の感触だと分かる。

そう、俺が居たのは原っぱだ。
目の前に見えた緑は草。
俺は原っぱに、うつ伏せで倒れていたのだ。

「……っ?……ッ、……っ!」

上半身を起こし、「ここは何処だ?」と口にしようとした俺は違和感に気付いた。
どれだけ声を発しようとしても、喉から詰まったように言葉が出てこない。

っ、……声が、出せない?

思わず自分の喉元を押さえたと同時に、俺はまたしても違和感に気付いた。
その違和感に辺りを見渡し、近くに川があるのを発見すると、俺は立ち上がってそちらに歩みを進めた。

ーー……っ、……やっぱり。

覗き込んだ水面に映る自分を見て、心の中でそう呟いた。

水面に映る俺は、"俺だけど俺ではない"。
俺よりも遥かに長い白金の髪。俺よりも白い肌。俺よりも切れ長の両目の中の瞳は、俺よりも不思議に光り輝く白金色。
司祭のローブのような白い衣服を身に纏ったその姿は、俺の身体を乗っ取ろうとしているあの天使の姿そのものだった。

つまり、今の俺は天使ーー。

その事態に一瞬驚きながらも、これまで自分が体験して来た数々の不思議な出来事のお陰なのか、過度に動揺する事はなかった。
まさにこれが天使の言っていた『その身を持って体験するがいい』と言う意味なのだろう、とすんなり受け入れる事が出来たんだ。

きっと普通の人間だったら慌てふためく事態が、自分にとっては何の不思議でもない日常になっていく事。
俺は昔は、それが嫌で怖かった。
何度も、みんなと同じなんの能力ちからも持たない人間だったら良かったのに、と思った。

ーーけど、今は違う。
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