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第1話 もう少しだけ〜シラヒメ編〜
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しおりを挟むそれは、ある年の秋の事。
『順調にゲート入りが行われております。
京都競馬場、芝2000メートル秋華賞。ダントツの1番人気、牝馬三冠の夢を懸けた1枠1番シラヒメはすでにゲート内に収まっております』
もう何度も聞いた事のある、聞き慣れた実況の声が今日も私の名前を呼んだ。
お願い、もう少しだけーー。
ゲートの中で私は、微かに違和感を感じる右後脚を気にしながらも祈った。
……
…………。
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