ある競走馬の物語

☆リサーナ☆

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第1話 もう少しだけ〜シラヒメ編〜

1-1

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それは、ある年の秋の事。

『順調にゲート入りが行われております。
京都競馬場、芝2000メートル秋華賞しゅうかしょう。ダントツの1番人気、牝馬三冠ひんばさんかんの夢をけた1枠1番シラヒメはすでにゲート内に収まっております』

もう何度も聞いた事のある、聞き慣れた実況の声が今日も私の名前を呼んだ。

お願い、もう少しだけーー。

ゲートの中で私は、微かに違和感を感じる右後脚みぎうしろあしを気にしながらも祈った。

……
…………。
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