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第2話 走り出す〜シラクモ編〜
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しおりを挟むまたまたある日の、秋ーー。
今までで1番大きな運動場で、私はたくさんの馬達と走る事になる。
『順調にゲート入りが行われております。
京都競馬場、芝2000メートル。秋華賞と同じ舞台で、若駒達が走ります。メイクデビュー戦』
初めて聞く実況。
『ダントツの1番人気は幻の三冠牝馬シラヒメの娘、1枠1番シラクモ。すでにゲート内に収まっております』
お母さんの名前と一緒に呼ばれる、私の名前。
『母が果たせなかった夢の続きをこの同じ競馬場で、同じ1枠1番からスタートします』
それを聞いた瞬間、お母さんの言葉を思い出した。
《お母さんはね、みんなの夢を叶えられなかったの》
……
…………そっか。
お母さんの夢は、途中で止まっちゃったんだね。
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