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第1章(3)ツバサside
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しおりを挟む「今日は、良い日だったなぁ~」
実家のお風呂で久々に湯船にゆっくりと浸かりながら、俺は「ハァ~」っと極楽の溜め息を吐いた。
長期任務から帰宅して、最初は母さんからの電話にどうなる事かと思ったけど……。
姉貴とミライさんが結婚ーー。
まさかの報告に、俺はきっと自分の任務が成功した時よりも嬉しかった。
いつ、どんなキッカケで二人が急接近したのかは分からないが、結ばれた、と言う事はきっと運命だったんだ。
嬉しくて、ついつい溢れる笑み。
「やば、のぼせるな。そろそろ上がるか」
上機嫌ですっかり湯船に浸かり過ぎてしまった。
俺は風呂から上がってバスタオルで身体を拭くと、下着と寝巻き用のスウェットを着て台所へ向かう。ご機嫌に鼻歌を歌いながら冷蔵庫を開けて、水のボトルを手に取ると火照った身体を冷やすためにベランダに向かった。
そして、ガラッと戸を開けて、鼻歌を続けたままベランダに出ると……。
「ーー綺麗な歌声ね。ホント、父さんとは全然似てないわ」
「!っ、……姉貴っ」
まさかの先客に声を掛けられて、不覚にも驚いた。
ベランダに居たのは姉のヒナタ。驚いた俺を見てクスクスと笑っている。
「ずいぶんとご機嫌じゃない、珍しい。その様子だと、白金バッジに向けて視界良好!って感じなのかしら?」
しかし、そう尋ねてきた姉の姿を見て、俺はすぐにハッとする。何故なら姉の今の服装は下はロングスカートだが、上が半袖だったのだ。季節は秋、日中はまだ暑い日もあるとは言え、夜風は少し冷たい。それに……。
「っ、馬鹿!」
「え?」
「外に出るんなら上着くらい着ろよ!身体冷やすなって!」
姉は今妊婦だ。
俺は咄嗟にスウェットの上着を脱ぐと、姉貴にフワッと掛けて風に晒されていた腕や手に触れて自分の体温で暖めた。
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