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第6章(6)ツバサside
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しおりを挟む「……ははっ、ひっでぇ顔」
翌朝、自宅の洗面所。
顔を洗って身を起こした俺は、正面の鏡に映る自分の顔を見て苦笑いを溢した。
目は真っ赤、瞼は腫れぼったくて、顔も若干浮腫んでいる。
原因は分かってるんだ。昨夜久々に大泣きしたせい。
おそらくずっとずっと蓄積された涙が、一気に出たんだろうな。
顔は酷いけど、お陰で心の中はずいぶんと軽くなった気がする。
……しかし。
結局肝心な事を、自分はまだ何一つ母さんに伝えられていない。
おまけに昨夜眼帯をしないまま寝落ちしたせいで、自分でも知らず知らずのうちに能力が発動してしまっていた。身体は眠っていたが、実はあの後の母さんの行動や言葉、何を思っていたのかをまるで夢のように全部見てしまったのだ。
「覗き見してたみたいで、なんか気不味いな……」
母さんの想い出や気持ち、その上、眠っている俺のおデコに……~~って!そこは早く忘れよう!
今後は気を付けなくては、と濡れた顔をタオルで拭くと、素早く眼帯を装着して左瞳を塞ぐ。
そして、今朝こそはちゃんと自分の気持ちを伝えよう!と、俺は自分の頬を軽くパンパンッと叩くと、母さんが待つダイニングキッチンへ足を進めた。
……
…………。
近付くに連れて、食欲をそそる良い匂いがした。
扉を開けると、俺の存在に気付いた母さんが大好きな笑顔で迎えてくれる。
「!……ツバサ、おはよう!」
「お、おはよう」
「朝ご飯、もうすぐ出来るから席に座ってて」
「う、うん」
全然普通に出来なかった~~!!
気合いを入れてこの場に来たのに、母さんの笑顔を見たらドキッとしてしまって、俺は情けない位に動揺してしまった。こんな気持ちのままではとても真面目な話が出来そうにない。
何とか仕切り直そう。いつも通り自分の席に着き、目を閉じると軽く深呼吸をする。
けれど俺の気持ちを落ち着かせる事が出来るのは、俺自身ではなかった。
「はい、出来た!食べましょう?」
「あ、うん。いただきまー……」
ーー……え、っ?
最後に出来上がった料理がコトッと食卓に置かれた気配と母さんの声に目を開けた俺は、目の前に並ぶ朝食を見て驚いた。
今朝の献立は、ご飯に味噌汁、焼き魚に玉子焼き、あとひじきや切り干し大根と言った小鉢が並んだ和食だったからだ。
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