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第2章(1)雪side
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***
「雪ちゃ~ん!せっかくのお休みなのに手伝わせちゃってごめんね~!」
守護神本部の医療施設の一室。
カルテや資料の整理をして棚に積める作業を手伝っていると、マリィが紅茶とお菓子が乗ったトレーを持って部屋に入って来た。
「ささっ、少し休憩しましょ!
このクッキー、昨日作った自信作なのっ!」
トレーをテーブルに置いたマリィはオレの傍に来ると、「食べて食べて!」と背中を押してその場所まで連れて行き、椅子に座らせてくれる。
「……いただき、ます」
「はい!召し上がれ~!」
マリィはオレの正面に座り、テーブルに頬杖を着きながらニコニコ見つめてくる。
マリィの作るお菓子は好き。
オレはチョコチップが入ったクッキーを手に取ると、サクッと齧った。
「……。美味しい」
「ホント?良かったわぁ~!
いっぱい食べてね?雪ちゃん細すぎなんだから!」
マリィは今日も楽しそうだ。
鼻歌を歌いながらティーポットを持ち、カップに注いでオレの前に置いてくれる。
マリィの紅茶も好き。
オレはカップを手に持って紅茶に口付けた。
「それにしても、紫夕ちゃんはホントに雪ちゃんが大切なのね~」
「……。え……?」
「!っ、雪ちゃん?!溢れてる溢れてる~!!」
手に持っていたカップが傾いて溢れた事にも気付かない位、マリィの言葉が気になった。
慌ててオレの濡れた服やテーブルを拭いてくれるマリィに、聞いてみる。
「大切……?」
「え?」
「紫夕、オレが……大切?」
オレが尋ねると、マリィはまたニコニコして言った。
「そうよ、紫夕ちゃんは雪ちゃんが大切で大切で仕方ないのよ~?分からない?」
「……。分からない」
紫夕は、優しい。
特殊部隊第1部隊の隊長で、強くて……。紫夕の周りには、いつもみんなが居る。
紫夕が優しいのは、みんな……。
紫夕はいつも、オレのずっと前の陽の当たる場所に居る。
そんな風に紫夕を思い浮かべていると、マリィが言葉を続けた。
「雪ちゃ~ん!せっかくのお休みなのに手伝わせちゃってごめんね~!」
守護神本部の医療施設の一室。
カルテや資料の整理をして棚に積める作業を手伝っていると、マリィが紅茶とお菓子が乗ったトレーを持って部屋に入って来た。
「ささっ、少し休憩しましょ!
このクッキー、昨日作った自信作なのっ!」
トレーをテーブルに置いたマリィはオレの傍に来ると、「食べて食べて!」と背中を押してその場所まで連れて行き、椅子に座らせてくれる。
「……いただき、ます」
「はい!召し上がれ~!」
マリィはオレの正面に座り、テーブルに頬杖を着きながらニコニコ見つめてくる。
マリィの作るお菓子は好き。
オレはチョコチップが入ったクッキーを手に取ると、サクッと齧った。
「……。美味しい」
「ホント?良かったわぁ~!
いっぱい食べてね?雪ちゃん細すぎなんだから!」
マリィは今日も楽しそうだ。
鼻歌を歌いながらティーポットを持ち、カップに注いでオレの前に置いてくれる。
マリィの紅茶も好き。
オレはカップを手に持って紅茶に口付けた。
「それにしても、紫夕ちゃんはホントに雪ちゃんが大切なのね~」
「……。え……?」
「!っ、雪ちゃん?!溢れてる溢れてる~!!」
手に持っていたカップが傾いて溢れた事にも気付かない位、マリィの言葉が気になった。
慌ててオレの濡れた服やテーブルを拭いてくれるマリィに、聞いてみる。
「大切……?」
「え?」
「紫夕、オレが……大切?」
オレが尋ねると、マリィはまたニコニコして言った。
「そうよ、紫夕ちゃんは雪ちゃんが大切で大切で仕方ないのよ~?分からない?」
「……。分からない」
紫夕は、優しい。
特殊部隊第1部隊の隊長で、強くて……。紫夕の周りには、いつもみんなが居る。
紫夕が優しいのは、みんな……。
紫夕はいつも、オレのずっと前の陽の当たる場所に居る。
そんな風に紫夕を思い浮かべていると、マリィが言葉を続けた。
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