74 / 289
第3章(2)雪side
3-2-2
しおりを挟む「紫夕に、好きって言われた」
オレがそう言うと、カップに口付けて紅茶を飲みかけていたマリィが無言でこっちを向く。
「オレに、キスしたいし、エッチな事したいんだって」
紫夕の言葉を思い出しながら、疑問に思った言葉を口にする。
「でも、昨日エッチな事しなかった。今朝も、キス……しなかった」
したい、って言ったのに、何もしなかった。
それって、どう言う意味だろう?
それが、おじさんと紫夕の、違いなの?
「この前はオレの事抱いたのに……。したい、って言ったのに、しなかった。……ねぇ、何で?
……。マリィ?……マリィ?」
問い掛けても返答がない。
すると、いつの間にかマリィはオレから少し離れて背を向けてて、顔を押さえて震えていた。
「マリィ?」
「ちょ、ちょっと待ってね、雪ちゃん。
なんとな~く、なんとな~く二人が、いつかはそうなる予感はしてたんだけど……だけどね!いきなりいっぺんに色んな情報が入り過ぎて……。予想はしてたんだけど、予想をぶっ飛ばされ過ぎて、流石のアタシも驚きが隠せないわ……!」
「……???」
「まさかそこまで、進展してたなんて……。紫夕ちゃんったらアタシに相談もナシに……!
おまけに雪ちゃんからそんな純粋な口調と気持ちで聞かれたら、もうアタシ何と言っていいか……」
「?……ごめんね?」
マリィの言葉も、オレには意味不明。
やっぱりマリィにも分からないのかな?と思って俯いていると、ソファーに戻って来て姿勢を正した(何故か両鼻にティッシュを詰めた)マリィが口を開く。
「……つまり。ザックリ纏めると、雪ちゃんは紫夕ちゃんが言った"好き"の意味が分からないのね?」
咳払いをした後にそう言ったマリィの言葉に、オレは頷いた。
だって、杏華よりオレを好きで、オレが1番だって言ったのに……。キスも、エッチな事もしたい、って言ったのに……。
今日もさっき、
「ちょっと杏華の所行ってくる。
帰って来たら一緒に買い物行こうぜ!」
何で杏華の所に行ったの?
オレが1番なら、オレとの買い物は何で杏華より……後なの?
そう思った瞬間、胸の中が何か変な感じがした。
0
あなたにおすすめの小説
売れ残りオメガの従僕なる日々
灰鷹
BL
王弟騎士α(23才)× 地方貴族庶子Ω(18才)
※ 第12回BL大賞では、たくさんの応援をありがとうございました!
ユリウスが暮らすシャマラーン帝国では、平民のオメガは18才になると、宮廷で開かれる選定の儀に参加することが義務付けられている。王族の妾となるオメガを選ぶためのその儀式に参加し、誰にも選ばれずに売れ残ったユリウスは、国王陛下から「第3王弟に謀反の疑いがあるため、身辺を探るように」という密命を受け、オメガ嫌いと噂される第3王弟ラインハルトの従僕になった。
無口で無愛想な彼の優しい一面を知り、任務とは裏腹にラインハルトに惹かれていくユリウスであったが、働き始めて3カ月が過ぎたところで第3王弟殿下が辺境伯令嬢の婿養子になるという噂を聞き、従僕も解雇される。
神様は僕に笑ってくれない
一片澪
BL
――高宮 恭一は手料理が食べられない。
それは、幸せだった頃の記憶と直結するからだ。
過去のトラウマから地元を切り捨て、一人で暮らしていた恭一はある日体調を崩し道端でしゃがみ込んだ所を喫茶店のオーナー李壱に助けられる。
その事をきっかけに二人は知り合い、李壱の持つ独特の空気感に恭一はゆっくりと自覚無く惹かれ優しく癒されていく。
初期愛情度は見せていないだけで攻め→→→(←?)受けです。
※元外資系エリート現喫茶店オーナーの口調だけオネェ攻め×過去のトラウマから手料理が食べられなくなったちょっと卑屈な受けの恋から愛になるお話。
※最初だけシリアスぶっていますが必ずハッピーエンドになります。
※基本的に穏やかな流れでゆっくりと進む平和なお話です。
おれより先に死んでください
星寝むぎ
BL
あらすじ:
恋人にフラれた美容師の恭生は、久しぶりに祖父の夢を見た。祖母が亡くなって見送った日の記憶だ。
『恭生、俺はばあさんが先に死んでよかったよ』
なぜそんな恐ろしいことを言ったのだろう……傷心と苦い記憶で沈む恭生に、年下の幼なじみ・大学生の朝陽がとある提案をする。
恋人(仮)になってみないか、と。
朝陽は自分を嫌っているはずなのになぜ? 恭生は訝しむが、自分と恋人(仮)になれば祖父の言葉の真意が理解できると朝陽は言う。戸惑いつつも、朝陽を弟のように可愛がってきた恭生はその提案に乗ることにする――
【R18+BL】ハデな彼に、躾けられた、地味な僕
hosimure
BL
僕、大祇(たいし)永河(えいが)は自分で自覚するほど、地味で平凡だ。
それは容姿にも性格にも表れていた。
なのに…そんな僕を傍に置いているのは、学校で強いカリスマ性を持つ新真(しんま)紗神(さがみ)。
一年前から強制的に同棲までさせて…彼は僕を躾ける。
僕は彼のことが好きだけど、彼のことを本気で思うのならば別れた方が良いんじゃないだろうか?
★BL&R18です。
【オメガバース】替えのパンツは3日分です
久乃り
BL
オメガバースに独自の設定があります。
専門知識皆無の作者が何となくそれっぽい感じで書いているだけなので、マジレスはご遠慮ください。
タグに不足があるかもしれません。何かいいタグありましたらご連絡下さい。
杉山貴文はベータの両親の間に生まれたごく普通のベータ男子。ひとつ上の姉がいる29歳、彼女なし。
とある休日、何故か姉と一緒に新しい下着を買いに出かけたら、車から降りてきたかなりセレブな男と危うくぶつかりそうになる。
ぶつかりはしなかったものの、何故かその後貴文が目覚めると見知らぬ天井の部屋に寝ていた。しかも1週間も経過していたのだ。
何がどうしてどうなった?
訳の分からない貴文を、セレブなアルファが口説いてくる。
「いや、俺は通りすがりのベータです」
逃げるベータを追いかけるアルファのお話です。
仮面の王子と優雅な従者
emanon
BL
国土は小さいながらも豊かな国、ライデン王国。
平和なこの国の第一王子は、人前に出る時は必ず仮面を付けている。
おまけに病弱で無能、醜男と専らの噂だ。
しかしそれは世を忍ぶ仮の姿だった──。
これは仮面の王子とその従者が暗躍する物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる