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第1章 (4)出逢い
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しおりを挟むそりゃそうだ。当たり前だ。
私だって、頭の中でパニックだ。
昨日出会ったばかりの彼。
記憶喪失と言っていた彼。
その彼が、実はとんでもなく強くて……。
ここの警備達を簡単に倒して……。
警備長に勝ったら、雇ってほしい!?
しかも、私の召使いとしてっ……?!
度重なる信じられない現実に、バクバクと激しい鼓動は鳴り止むことはない。
……しかし。
彼の姿を見つめていると、その鼓動は次第に優しく暖かいものに変わっていくのを感じた。
胸を打つ鼓動が、自分の心の中に浮かび上がった感情の名前を教えてくれる。
”嬉しい”と、いう気持ち。
少し冷静になると、驚きは次第に喜びへと変化していたのだ。
彼がどんな人物なのかよく分からない。
名前すら、知らない。
けど、私は彼の申し出が単純に嬉しかった。
何故だろう?
彼に、傍にいてほしい……。
素直に、正直にそう思った。
口で説明なんて出来ない。
ただ、傍に居て欲しいのだ。
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