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第3章 (3)夏がきて……。
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しおりを挟む彼の髪は見た目の美しさを裏切らない位に、きめ細かくて柔らかい。
絡まる事もなく、手ぐしをするように撫でれば私の指の間をすり抜けていく。
「ははっ、くすぐった~」
私が撫でる度に揺れて、頬に当たる自分の横髪にくすぐったそうに目を細めて笑う彼。
その笑顔が可愛すぎて、まさに胸キュンが止まらない。
ポ~ッと見惚れながら私の頭に浮かぶのは「アカリ以外にはやらないよ」って、さっき言ったバロンの言葉。
あれは、どういう意味?
仕事じゃなくて、こんな風に甘えてくれるのは、どういう事なのだろう?
知りたい。
知りたいよ。
「っ……あ、の。バロ……」
「!……やばっ。行かなきゃ!」
答えを聞きたくて、私が口を開こうとした時。
突然何かに反応したバロンが、慌てて立ち上がるとそう言った。
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