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第4章 (4)バロンVS夢の配達人
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しおりを挟む「っ……バ、バロン?」
「帰りましょう?
ローザ殿も、みんな心配しております」
我に返って、恥ずかしくて真っ赤になる私を抱きかかえたまま、彼は暗い道を躊躇なく歩いて行く。
信じられない。
木の根や斜面でボコボコした歩み辛い暗い山道を、まるで知り尽くした獣のように抜けて行くのだ。
そんなバロンを見て、ますます膨れ上がる疑問を私は懸命に胸に押し込んでいた。
「……ね?バロン。
右腕、本当に大丈夫なの?」
「帰ったらちゃんと処置します。
元々左利きなんで、不自由はありません」
「……」
左利き、なんだ。
初めて知った。
当たり前のように、さらっと答える彼に、私は少し寂しくなった。
私はバロンの事を、何にも知らない。
この三ヶ月くらい、毎日のように一緒に居たのに……。
こんなに近くにいるのに、遠く感じる。
なんだか胸がキュッと締め付けられて、苦しいーー。
切なくなって、バロンの首に手を回して抱き付いた。
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