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第7章 (1)父を求めて-後半-
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しおりを挟む負けたく、ない!
いつの間に、負けず嫌いになったんだろう?
そう思う程に、大男の態度が私の心に火を付ける。
私はカウンターに置いてあるグラスに手を伸ばして、両手に持って見つめた。
辺りは集まっている人の声が、ザワザワと響く。
でも、私には何も聞こえない。
それくらい、集中していた。
ーー大丈夫。
こんな大勢の目の前で、夢の配達人が人を殺す訳はない。
つまり、これは絶対に毒ではない。
そう自分に言い聞かせて、私は真っ直ぐに大男を見据えた。
私は夢の配達人じゃない。
でも、それよりも格好良い人をずっと傍で見てきたもの。
私もバロンみたいに、格好良くなれるかな?
「頂戴致します。
約束、絶対に守って下さいね?」
嘘みたいに落ち着いてた。
私はバロンを真似て、大男を笑顔で見つめて……。
大男の驚く表情から目を逸らさずに、口にグラスを近付けた。
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