上 下
68 / 297
第3章 (2)シュウside

2-4

しおりを挟む
【シュウ7歳】

リディアが連れて来た子供。リディアが自ら教育し、夢の配達人に仕立てると宣言した子供。

興味が湧いた。弟子は絶対に採らないって言っていた彼女が、何故その子供を選んだのか気になった。
それは、リディアに憧れる故への嫉妬だった。


「ーーあ!シュウ!ちょっといい?」

リディアが子供を連れて来た数日後。
夢の配達人の隠れ家で、彼女が私を見付けて嬉しそうに話し掛けてきた。私も嬉しかった。


「ちょっと付き合ってくんない?アンタに頼みたい事があるの!」

「えっ?……は、はいっ!」

リディアからの頼み。私は二つ返事で喜んだ。
胸を弾ませながら、リディアに連れられて広場へ向かう。

すると……。


「ヴァロン!お待たせ!」

「!……え?」

リディアが名前を呼んだ視線の先に、ヴァロンはいた。

これが、出会いだった。
しおりを挟む

処理中です...