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第3章 (3)シュウside
3-1
しおりを挟む「ん~……。ヴァロン、アンタやっぱ小さいわ」
私とヴァロンを並べて見つめて、リディアは難しい表情をしながら頭を抱える。
用事って、この子供絡みか……。
私は正直ガッカリした。
憧れのリディアからの声掛け。それなのに、邪魔者がいる。
私はチラッと横にいるヴァロンを見た。
第一印象はチビ。私よりも背が5センチ以上低く、ヴァロンはとても痩せていて弱そうだった。色も白くて病弱そうだし。
……まあ。強いて褒めるなら、白金色に似た輝く色素の薄い髪と瞳。その色は、私が目標とする白金バッジとよく似ていた。
「まずは、チビ改善ね!飲み物は常に牛乳飲みなさい」
「はぁ?ざけんなッ……!嫌いだって言ってんだろ!」
私が何より嫌いだったのは、このヴァロンの口の悪さと態度。
リディアに言われた事をちゃんと聞かず、ツンッとそっぽを向く反抗的な態度。
「君、ちょっと生意気じゃないかな?」
我慢出来なかった私はヴァロンに言った。
「リディアは君の師匠なんだし、ここでは君なんかよりずっと先輩だ。
第一それが年上の人に対する姿勢なのか?」
すると、そっぽを向いていたヴァロンが私を見た。
生意気な目。まるで警戒心を剥き出しな野良猫だ。短く切ってやりたい位長い前髪の隙間から覗く、ヴァロンの切れ長の目は……。その瞳だけは酷く大人びていた。
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