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第3章 (4)シュウside
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【シュウ14歳】
「視力が徐々に落ちていく病気です。
珍しい病で、今の所治療法がありません。最悪、全く見えなくなる可能性も……」
ーー全てに、耳を塞ぎたくなった。
性別も、恋も捨てて……。自分が欲しいものをたくさん諦めて……ここまで頑張ってきたのに。
自分の幼い頃から抱いていた夢まで、奪われた。
自分の中で、色んな事がいっぱいいっぱいで……。その中でまた、徐々に奪われていく視力という光。
いつか真っ暗になるのが、怖い。
明日目覚めて全てが闇に変わるのが、怖い。
一人きりの、夢の配達人隠れ家にある医務室のベッドの上。
私は、隠し持っていたナイフを取り出した。
その時ーー。
ガチャッと医務室の扉が開いて、私のベッドの周りを囲むように引かれていたカーテンを……誰かが開けた。
「!っ……」
咄嗟にナイフを掛け布団に隠すと、首を傾げてキョトンとするヴァロンが立っていた。
「っ……な、なっ……!
何しに来たんですかッ……?!」
思わず、声が上擦った。
久々に間近で見るヴァロン。更に背が伸びて、私を惹きつける。
「……何って、見舞い?
あ、でも悪い。手ぶらだわ」
ヴァロンは悪びれた様子も、私に気まずさもないように手をヒラヒラさせる。
人の気も知らないで……。
全く、本当に無神経な男だな。
やっぱり生意気で、口も態度も悪い。
っ……好きなんかじゃない。
こんな奴、好きなんかじゃない!
「っ……用がないならッ、さっさと帰ってもらえますかッ……?」
布団をギュッと握って、声を絞り出す。
「視力が徐々に落ちていく病気です。
珍しい病で、今の所治療法がありません。最悪、全く見えなくなる可能性も……」
ーー全てに、耳を塞ぎたくなった。
性別も、恋も捨てて……。自分が欲しいものをたくさん諦めて……ここまで頑張ってきたのに。
自分の幼い頃から抱いていた夢まで、奪われた。
自分の中で、色んな事がいっぱいいっぱいで……。その中でまた、徐々に奪われていく視力という光。
いつか真っ暗になるのが、怖い。
明日目覚めて全てが闇に変わるのが、怖い。
一人きりの、夢の配達人隠れ家にある医務室のベッドの上。
私は、隠し持っていたナイフを取り出した。
その時ーー。
ガチャッと医務室の扉が開いて、私のベッドの周りを囲むように引かれていたカーテンを……誰かが開けた。
「!っ……」
咄嗟にナイフを掛け布団に隠すと、首を傾げてキョトンとするヴァロンが立っていた。
「っ……な、なっ……!
何しに来たんですかッ……?!」
思わず、声が上擦った。
久々に間近で見るヴァロン。更に背が伸びて、私を惹きつける。
「……何って、見舞い?
あ、でも悪い。手ぶらだわ」
ヴァロンは悪びれた様子も、私に気まずさもないように手をヒラヒラさせる。
人の気も知らないで……。
全く、本当に無神経な男だな。
やっぱり生意気で、口も態度も悪い。
っ……好きなんかじゃない。
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「っ……用がないならッ、さっさと帰ってもらえますかッ……?」
布団をギュッと握って、声を絞り出す。
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