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第7章 (3)ヴァロンside
3-5
しおりを挟む「……。
リディア、俺の…… 」
「俺の負けだ……」
そう言おうとした俺の瞳に……。上手く立ち上がれずフラつくリディアが映る。
ゆっくり、スローモーションのようにリディアが倒れそうな先は……。
ーー食器棚のガラス戸。
「!っ……リディアッ!!」
俺はとっさに駆け寄って倒れるリディアを抱き留めると、彼女を守るように自分の身体で包んで食器棚にぶつかった。
ガッシャーンッ……!!!!
衝撃で割れたガラスが大きな音を立て崩れる。
「ーーっ……いッ!
っ……リディア?……おい!大丈夫かッ?!」
背中や肩がズキズキ痛む。
けど、それよりも俺は血相を変えて腕の中のリディアを見つめた。
リディアの両肩を掴んで、俺は彼女の顔や身体に傷がないか慌てて確認する。
……大丈夫だ。どこにも、怪我はない。
「……良かった」
ホッとして、安堵の溜め息を吐くと……。
「ッ……!バ、カッ……!アンタの方が……っ」
飛び散ったガラスで切れた俺の頬の傷に触れて、泣きそうな表情のリディアが……目の前にいた。
顔を真っ赤にして……。瞳を潤ませて……。
また、”女の表情”をした……リディアがいた。
ねぇ?何で……?
何で俺に、そんな表情すんの……?
俺達は何で……。こんな風になっちゃったの?
臆病な俺は、大事なその問い掛けを……。言えなかった。
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