152 / 297
第7章 (5)ヴァロンside
5-2
しおりを挟む
***
「白金バッジ昇格の試験を行う」
隠れ家に戻った俺とシュウに、マスターが言った。
てっきり無断で旅に出た事を咎められると思っていた俺達は驚いて……。
しかも、白金バッジの昇格試験。本来下剋上で階級の高いバッジを奪い合う夢の配達人にとって、昇格する為の試験が行われるなんて初めての事だった。
何故そんな試験が行われるのか、考えられるとしたら……。
誰かが、白金バッジを放棄した。か……。
白金バッジの所有者が……不在。
つまり、死んだ……?
……。
「……ヴァロン、お前は強制参加だ。拒否権はないと思え」
「!……は?」
マスターの言葉に俺は驚いて苦笑いした。
「なに、言って……。っ……俺は、もう……」
金バッジすら、手元にない。
昇格する資格すらすでに手放している。
夢の配達人、じゃないのに。
なんで……?
俯く俺に、マスターの言葉が響く。
「『お前にもう一度チャンスをやってほしい』……。リディアの遺言だ」
「……。え……?」
”なんで?”……。
心の問い掛けに返ってきたマスターの答え。
何を言われてるのか。
一瞬、理解出来なかった。
「っ……遺、言……?
遺言って……まさか……ッ」
俺の隣で一緒に話を聞いていたシュウが震えた声で言うと、マスターが茫然としている俺の真ん前に立って見つめる。
「今回の昇格試験は、夢の配達人リディアの病死により不在になった白金バッジの継承者を決めるものだ!」
ハッキリした口調が、信じたくない現実を俺に突き付けた。
「白金バッジ昇格の試験を行う」
隠れ家に戻った俺とシュウに、マスターが言った。
てっきり無断で旅に出た事を咎められると思っていた俺達は驚いて……。
しかも、白金バッジの昇格試験。本来下剋上で階級の高いバッジを奪い合う夢の配達人にとって、昇格する為の試験が行われるなんて初めての事だった。
何故そんな試験が行われるのか、考えられるとしたら……。
誰かが、白金バッジを放棄した。か……。
白金バッジの所有者が……不在。
つまり、死んだ……?
……。
「……ヴァロン、お前は強制参加だ。拒否権はないと思え」
「!……は?」
マスターの言葉に俺は驚いて苦笑いした。
「なに、言って……。っ……俺は、もう……」
金バッジすら、手元にない。
昇格する資格すらすでに手放している。
夢の配達人、じゃないのに。
なんで……?
俯く俺に、マスターの言葉が響く。
「『お前にもう一度チャンスをやってほしい』……。リディアの遺言だ」
「……。え……?」
”なんで?”……。
心の問い掛けに返ってきたマスターの答え。
何を言われてるのか。
一瞬、理解出来なかった。
「っ……遺、言……?
遺言って……まさか……ッ」
俺の隣で一緒に話を聞いていたシュウが震えた声で言うと、マスターが茫然としている俺の真ん前に立って見つめる。
「今回の昇格試験は、夢の配達人リディアの病死により不在になった白金バッジの継承者を決めるものだ!」
ハッキリした口調が、信じたくない現実を俺に突き付けた。
0
あなたにおすすめの小説
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
灰かぶりの姉
吉野 那生
恋愛
父の死後、母が連れてきたのは優しそうな男性と可愛い女の子だった。
「今日からあなたのお父さんと妹だよ」
そう言われたあの日から…。
* * *
『ソツのない彼氏とスキのない彼女』のスピンオフ。
国枝 那月×野口 航平の過去編です。
屈辱と愛情
守 秀斗
恋愛
最近、夫の態度がおかしいと思っている妻の名和志穂。25才。仕事で疲れているのかとそっとしておいたのだが、一か月もベッドで抱いてくれない。思い切って、夫に聞いてみると意外な事を言われてしまうのだが……。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる