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第8章 (1)アカリside
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【6月14日】
ヴァロンの過去を聞いた翌日。
私とヴァロンとシュウさんの三人は、船に乗ってリディアさんのお墓がある島を目指していた。
本当はヴァロンと二人で行く筈だったんだけど、昨夜の話を聞いた私は絶対にシュウさんも誘うべきだと思って、ヴァロンに提案した。
シュウさんはヴァロンにとって大切な存在。リディアさんを失ったあの日、ヴァロンを生かしてくれたのは他の誰でもないシュウさんだから……。
私の提案にヴァロンは「ありがとう」って微笑んでくれて、修理した通信機を渡しに来たシュウさんをまるで誘拐するみたいに強引に一緒に船に乗せた。
でも……。
「ーーあぁ~もう!帰ったらマスターになんて言えばいいんですか!」
何の準備も、マスターさんの許可も取らずに船に乗せられたシュウさんは頭を抱えてヴァロンに怒る。
「あ?別にジジイ一人でも何とかなんだろ?一応まだボケてねぇし?」
「ジジイって!前から思ってましたけど、人の親に向かって失礼でしょう!」
すっかり仲直りした二人は、以前のように言い合って楽しそう。
ヴァロンも元気みたいだし、良かった。
私が二人を見てふふっと微笑うと、それに気付いたヴァロンとシュウさんも顔を見合わせて微笑ってた。
きっとリディアさんも、二人の仲良しな姿を見たら喜ぶ。”初めまして”の私より、二人に会える事の方が嬉しいと思った。
まさか……。
私とリディアさんに繋がりがあるなんて、思ってもいなかった。
……
…………。
ヴァロンの過去を聞いた翌日。
私とヴァロンとシュウさんの三人は、船に乗ってリディアさんのお墓がある島を目指していた。
本当はヴァロンと二人で行く筈だったんだけど、昨夜の話を聞いた私は絶対にシュウさんも誘うべきだと思って、ヴァロンに提案した。
シュウさんはヴァロンにとって大切な存在。リディアさんを失ったあの日、ヴァロンを生かしてくれたのは他の誰でもないシュウさんだから……。
私の提案にヴァロンは「ありがとう」って微笑んでくれて、修理した通信機を渡しに来たシュウさんをまるで誘拐するみたいに強引に一緒に船に乗せた。
でも……。
「ーーあぁ~もう!帰ったらマスターになんて言えばいいんですか!」
何の準備も、マスターさんの許可も取らずに船に乗せられたシュウさんは頭を抱えてヴァロンに怒る。
「あ?別にジジイ一人でも何とかなんだろ?一応まだボケてねぇし?」
「ジジイって!前から思ってましたけど、人の親に向かって失礼でしょう!」
すっかり仲直りした二人は、以前のように言い合って楽しそう。
ヴァロンも元気みたいだし、良かった。
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……
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