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第9章 (2)ヴァロンside
2-5
しおりを挟む『……過去に、捉われないで下さい。
……。止まない雨はない。
きっと貴方の真上に、虹は架かっていますよ?』
……。
突然降り始めた通り雨はすぐに止んで……。空から、明るい光が射す。
俺はゆっくり、顔を上げて空を見上げた。
「わぁ~!綺麗~!」
俺の隣で、アカリが微笑んだ。
「……リディアの虹、ですね」
俺の隣で、シュウが微笑んだ。
「……。
やっと、逢えたな……」
虹を見上げて、俺は微笑んだ。
晴れ渡る空に架かった虹の架け橋。
……いや。
俺達の夢の懸け橋。
やっと、見付けた。
俺は手紙を胸ポケットにしまうと……。
両手を広げて、自分の左右に居るアカリとシュウの肩を抱き寄せた。
「……ありがとう」
驚いて俺を見つめる二人に、俺は言った。
「一緒に居てくれて、ありがとう!」
傍に居てくれた二人に、俺は微笑った。
そしたら、アカリもシュウも笑顔になって……。
俺達は微笑った。
……。
リディア、ありがとう。
俺はもう大丈夫。
「……一度だけ、言わせて?」
俺は二人から離れて、リディアの墓の前で跪くように腰を降ろした。
「リディア。
俺もお前が、大好きだったよ。ありがとう!」
俺は、笑顔で伝えた。
俺達、やっと一緒に微笑えたかな?
俺の背後で、アカリとシュウも手を合わせて……。
リディアに何か伝えていた。
これからは、毎年来るから。
最後にそうリディアに言って……。
俺達は歩み出した。
……
…………。
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