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第10章 (1)シュウside
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【6月15日】
リディアの墓参りを済ませた私達は、明日からの仕事の為早急に帰りの船に乗り込んだ。
……。
そして深夜。
私は寝付けなくて甲板に上がると、置いてあったベンチに腰をかけて夜の海を見つめていた。
色々あった。
だが、きっともうヴァロンは大丈夫だ。
今回の墓参りでリディアの事を乗り越えて、彼はとてもいい表情になっていた。
……そして、何より。
ヴァロンにはアカリさんがいる。
正直、私はアカリさんを自分よりも下に見ていた。
心の何処かで、ヴァロンの事を分かってやれるのも知っているのも私だと思っていた。
……けど、今回の事件で分かった。
私はアカリさんに勝つ事は出来ない、と。
ヴァロンと揉めた後。
その次の任務の日の朝、彼は私の元には顔を見せなかった。
いつもは仕事に行く前に私の元を訪れて、任務先の詳細や内容などを確認し合うのがヴァロンとの当たり前のやり取りだった。
現地に着いたら通信機で連絡を取り合い、任務が完了したら報告をもらう。
挨拶を交わすように自然だった事。
それが、この日なかった。
依頼人からの報告は受けていたので、ヴァロンがちゃんと仕事に行ったのも、任務が無事に完了した事も分かっていた。
……でも、落ち着かない。
そして、とても寂しくて悲しかった。
酷い事を言ったのも、酷い事をしたのも、私だ。
自業自得で、ヴァロンが怒っても仕方ない。
今更アカリさんに嫉妬して、自分の感情が高ぶって余計な事を言ってしまった。
リディアの墓参りを済ませた私達は、明日からの仕事の為早急に帰りの船に乗り込んだ。
……。
そして深夜。
私は寝付けなくて甲板に上がると、置いてあったベンチに腰をかけて夜の海を見つめていた。
色々あった。
だが、きっともうヴァロンは大丈夫だ。
今回の墓参りでリディアの事を乗り越えて、彼はとてもいい表情になっていた。
……そして、何より。
ヴァロンにはアカリさんがいる。
正直、私はアカリさんを自分よりも下に見ていた。
心の何処かで、ヴァロンの事を分かってやれるのも知っているのも私だと思っていた。
……けど、今回の事件で分かった。
私はアカリさんに勝つ事は出来ない、と。
ヴァロンと揉めた後。
その次の任務の日の朝、彼は私の元には顔を見せなかった。
いつもは仕事に行く前に私の元を訪れて、任務先の詳細や内容などを確認し合うのがヴァロンとの当たり前のやり取りだった。
現地に着いたら通信機で連絡を取り合い、任務が完了したら報告をもらう。
挨拶を交わすように自然だった事。
それが、この日なかった。
依頼人からの報告は受けていたので、ヴァロンがちゃんと仕事に行ったのも、任務が無事に完了した事も分かっていた。
……でも、落ち着かない。
そして、とても寂しくて悲しかった。
酷い事を言ったのも、酷い事をしたのも、私だ。
自業自得で、ヴァロンが怒っても仕方ない。
今更アカリさんに嫉妬して、自分の感情が高ぶって余計な事を言ってしまった。
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