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第10章 (1)シュウside
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しおりを挟むヴァロンに嫌われてしまったのか……。
仕事仲間として傍にいられるだけでも、私は満足すべきだったのに……。余計な欲を出してしまった。
……謝らなくては。
例え許してもらえなくとも、行かなくては……。
ヴァロンの様子も気になった私は、久々に彼の自宅へ足を運んだ。
……。
ヴァロンの自宅を訪れるのは本当に久し振りだった。
自分が結婚してから、独身の時よりも行かなくなり……。そしてヴァロンがアカリさんと暮らし始めてからは、全く遊びに行かなくなった。
一度だけ、アカリさんに届け物をする際に訪れたが……。
ヴァロンとアカリさん。
二人が仲睦まじい姿を見るのは、やはり胸が痛んで……。笑顔でいるのが、辛くなった。
私がヴァロンの自宅を訪れると、彼はまだ任務から帰宅しておらずアカリさん一人。
部屋に上がらず帰るつもりだったが、アカリさんに誘われて……。つい断わり切れなかった。
昔は何度も訪れた筈だったヴァロンの自宅。
そこにアカリさんと二人きりで、なんだか落ち着かない。
どんな会話をしようか悩んでいた私に、アカリさんが出してくれたのは私の好きなハーブティーだった。
「ハーブティーお好きなんですか?」
まさかの偶然に驚いた私がそう尋ねると、アカリさんは首を横に振った。
「今日初めて淹れました。
ヴァロンが言ってたんです。シュウさんが来た時はハーブティーだって。
……お好きなんですよね?」
その答えに更に驚く私。
だって、私は今まで一度だって……。
ハーブティーが好きな話なんてヴァロンにした事がなかったのだ。
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