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第12章 (1)ヴァロンside
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しおりを挟む熱い口付けを繰り返しながら、俺はアカリの膝と膝の間に自分の身体を移動させた。
唇を離すと、とろんとした表情のアカリが俺を見上げている。
可愛くて……。俺の熱くなった下半身が更に疼き出す。
アカリの頭を優しく撫でると、俺は枕元にある棚の引き出しに手を伸ばして、小さい四角い包みに入った避妊具を取り出した。
包みを破ろうと口元に近付けた時……。
俺はハッとして手を止めた。
……。
避妊する事。
今まで当たり前の行動だった。
避妊せずに抱いた女は、後にも先にもリディアだけ……。
リディアとの、あの一夜だけだ。
……。
俺は、少し考えて……。
アカリを見つめた。
「……アカリ。
……。着けないで、していい?」
「……え?」
俺の問い掛けにアカリは首を傾げた。
俺を見て、俺が手に持っている包みを見て……。キョトンとしている。
……。
そうか、コレが何か分からないんだな。
無知過ぎる。
考えなしの男が相手だったらどうするんだか……。
かと言って。一からコレが何なのか説明するのも、俺が恥ずかしくて……。
俺は、素直な自分の気持ちを言う事にした。
「……アカリ。
俺は、すぐにでもアカリとの子供がほしいと思ってる」
アカリを真っ直ぐ見つめて。
アカリが俺に言葉で伝えてくれたように、伝える。
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