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第12章 (3)ヴァロンside
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…………。
俺は腕の中で眠るアカリをじっと見つめた。
共に果てた後、眠るように意識を手放したアカリ。
脱力して倒れそうな彼女を抱き留めて、呼吸を整えた後布団の中に入って今に至る。
「……ッ~~」
お、俺……最悪……。
初めての女の子に、調子乗り過ぎた……?
さっきまでの自分を思い返して思わず熱くなる顔。
本当に、アカリが相手だと調子が狂ってしまう。
相手を良くしてやるよりも自分が気持ち良くなりたい、なんて……。
ずっと忘れてた感情だった。
「……なんで、こんな可愛いんだよ」
自分が重症だと思う程に愛おしい。
アカリは眠っているのに……。今まで抑えられていた自分が信じられないくらい、また抱きたいと思ってしまう。
気持ちが溢れてきて、俺はアカリを抱き寄せてスリッと彼女の頭に頬を寄せた。
「……ん……っ」
すると、アカリがモゾッと動いて……。目をゆっくり開けるとボーッとした表情で俺を見上げた。
「……。ヴァ、ロン?」
「……わり。起こした?」
俺の言葉に首を横に振って眠そうに目を擦るアカリを再び抱き寄せて、頭を優しく撫でる。
「……痛いところないか?」
「?……痛い、ところ?
……。……。!……え、ッ?」
アカリはハッとして、布団の中で裸で抱き合う俺と自分を見てボッと一気に赤くなった。
「っ……や、わ……私っ。
あのまま……っ~~~~!」
意識を手放す前の事を思い出したようで、彼女は俺に背を向けて掛け布団を頭まで被って隠れてしまう。
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