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(3)ギルバートside
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しおりを挟む「……僕は、何をしてるんだろうね?」
頭を抱えて苦笑いする僕。
「……さぁ?人それぞれだから、別にそれでもいいんじゃない」
そう言うとヴァロン君は僕から離れて、店頭に置いてある品物を手に取った。
それは、新商品のお菓子。
「……でも、俺はごめんだね。
そんな他人任せの人生。
そんなつまらない生き方、もう沢山だ」
彼は代金をトレーに乗せると、ガサガサとお菓子を開けて僕に言う。
「駄目で元々。
せっかくなら思いっきりやっちゃえば?」
首を少し傾けて、ヴァロン君は意地悪な笑みを浮かべて……。
お菓子を頬張ると……。
「!っ……何これ!
めちゃめちゃ美味いじゃん!!」
と、雰囲気をガラッと変えて笑った。
「お兄さん!これ、美味しいね!
俺ここのお菓子大好きなんだぁ~!!」
「っ……え?……えぇ……ッ??」
っ……お兄さん?僕の事、か?
突然絡まれて、僕は驚いた。
目の前のヴァロン君は、まるで別人。
無邪気にお菓子を食べて喜ぶ、ただの子供。
元気な、笑顔の可愛い……男の子。
「あ、別の味もあるんだねっ?
そっちも食べた~い!!」
「っ……」
その可愛い天使のような笑顔に、僕はドキッとする。
新たな味のお菓子を嬉しそうに手に取るヴァロン君の姿に見惚れていると……。
「わ~!ママ!あれ美味しそう!」
「ママ~!ボクも食べたーい!」
と、いつの間にか店頭にたくさんの親子が集まっていた。
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