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第5章(2)紫夕side
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……
…………。
その夜。
一緒に風呂に入って、サクヤを寝かし付けた俺は別室で斬月の手入れをしていた。
手入れ、と言っても、スノーフォールを討伐する際に無茶苦茶な扱いをしてしまった為、刀身はボロボロで亀裂がはいったまま。
魔器は魔物の部位を使って造られた特殊な武器だ。
破損してしまった魔器は必要な魔物の素材と、それを直せる技術がある研究員達の力が必要で……。俺では修復は不可。
「……ごめんな」
ポツリと呟いて、俺はそっとその傷付いた刀身を撫でた。
あの日、スノーフォールを討伐出来たから今がある。
記憶を失ってしまっているが雪は目覚める事が出来たし、俺とサクヤと紫雪の三人で今この家で暮らせている。
毎日が楽しくて、幸せだ。
けど、やはりボロボロの斬月を見ていると悲しくなるんだーー……。
「しゆー、どうしたのー?」
「!っ、……サクヤ」
「……。ないてるの?」
背後から声がして振り返ると、そこには恐竜のぬいぐるみを抱いたパジャマ姿のサクヤが立っていた。
「泣いてるの?」そう言われてハッして、慌てて手で目を擦ると少しだけ濡れていた事に気付く。
「っ、大丈夫だよ。何でもねぇ!
それより、どうした?眠れないのか?」
俺は心配を掛けないようにすぐに笑顔を作って、そう問い掛けた。
けど、サクヤは質問には答えず、俺の隣に来てストンッと座ると斬月を見つめて言った。
「……このこ、ボロボロ」
「……」
「いたそうだね……」
「っ、……」
語るつもりなんて、なかったさ。
でも、サクヤの言葉が何だか妙に優しくて……。斬月を見つめる瞳もあんまりにも優しいから、俺は聞いて欲しくなったんだ。
「……俺が、やったんだ」
「え?」
「俺のせいで、斬月はこんな姿になっちまったんだ……」
「しゆー……」
「大事な大事な相棒で、親父の形見なのに……な。
斬月も親父も、きっと怒ってる……っ」
今の生活を手に入れた事を、後悔なんてしてないーー。
それなのに、こんなに悲しい気持ちになる自分が嫌になった。
…………。
その夜。
一緒に風呂に入って、サクヤを寝かし付けた俺は別室で斬月の手入れをしていた。
手入れ、と言っても、スノーフォールを討伐する際に無茶苦茶な扱いをしてしまった為、刀身はボロボロで亀裂がはいったまま。
魔器は魔物の部位を使って造られた特殊な武器だ。
破損してしまった魔器は必要な魔物の素材と、それを直せる技術がある研究員達の力が必要で……。俺では修復は不可。
「……ごめんな」
ポツリと呟いて、俺はそっとその傷付いた刀身を撫でた。
あの日、スノーフォールを討伐出来たから今がある。
記憶を失ってしまっているが雪は目覚める事が出来たし、俺とサクヤと紫雪の三人で今この家で暮らせている。
毎日が楽しくて、幸せだ。
けど、やはりボロボロの斬月を見ていると悲しくなるんだーー……。
「しゆー、どうしたのー?」
「!っ、……サクヤ」
「……。ないてるの?」
背後から声がして振り返ると、そこには恐竜のぬいぐるみを抱いたパジャマ姿のサクヤが立っていた。
「泣いてるの?」そう言われてハッして、慌てて手で目を擦ると少しだけ濡れていた事に気付く。
「っ、大丈夫だよ。何でもねぇ!
それより、どうした?眠れないのか?」
俺は心配を掛けないようにすぐに笑顔を作って、そう問い掛けた。
けど、サクヤは質問には答えず、俺の隣に来てストンッと座ると斬月を見つめて言った。
「……このこ、ボロボロ」
「……」
「いたそうだね……」
「っ、……」
語るつもりなんて、なかったさ。
でも、サクヤの言葉が何だか妙に優しくて……。斬月を見つめる瞳もあんまりにも優しいから、俺は聞いて欲しくなったんだ。
「……俺が、やったんだ」
「え?」
「俺のせいで、斬月はこんな姿になっちまったんだ……」
「しゆー……」
「大事な大事な相棒で、親父の形見なのに……な。
斬月も親父も、きっと怒ってる……っ」
今の生活を手に入れた事を、後悔なんてしてないーー。
それなのに、こんなに悲しい気持ちになる自分が嫌になった。
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