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第5章(2)紫夕side
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しおりを挟む失って、初めて気付く大切なもの。
杏華達仲間、守護神の隊員としての生活、そして斬月。
自らの手で傷付け、壊し続けたものがあまりにも多くて、大き過ぎて……。何度謝っても足りない。
けど、そう思っていた俺に、サクヤが言った。
「しゆー、かして?」
「え?」
「そのこ、サクにかして?」
「っ……ダメだ。危ねぇだろっ?」
俯いていた顔を上げると、そこに居たのは恐竜のぬいぐるみを床に置いて両手を広げるサクヤ。
その「貸して」と、言う言葉が最初はおもちゃでも借りるような感覚で言っているのかと思った俺は拒否して、斬月を片付けようとした。
でも、サクヤがまた優しい声で言うんだ。
「なおしてあげる」
「っ、え?」
「だいじょうぶだから、かして?」
「っ、直す、って……、……」
直してあげる?
そんな事は、絶対に不可能だーー。
心の中でそう思いながらも、サクヤと瞳が重なってその透き通った水色の瞳を見たら、俺は何故か拒否出来なくなった。
何故なら、その目は決して嘘をついているようにも見えなければ、ましてや遊びや冗談で言っているものではない。
上手く表現出来ないが、その、優しいを通り越したような美し過ぎる瞳から感じるのは……。
聖母、って、こんな雰囲気なのかなーー?
そんな感情、だったんだ。
ああ、やっぱり、綺麗だなーー……。
魅せられて、惹きつけられて、導かれる。
柄を握っていた手に力を込めて、もう片手を刀身の下に添えて、俺はゆっくりとサクヤに斬月を差し出した。
するとサクヤは、まるで斬月を赤ん坊を抱くようにして包み込んで、目を閉じる。そして、何やら聞いた事のない言葉で、歌を口遊み始めた。
意味は解らない。
でも、すごく心地良い響きーー。
癒しの歌?子守歌?
そんな風に受け取れる不思議な歌だった。
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