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第6章(1)サクヤside
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***
数日後ーー。
今朝のお手伝いは家の外で洗濯物干し。
その時、ふと目をやった視線の先に"ある物"を見付けて、ボクは"ある事"をひらめいた。
「よし、終わり!サクヤ、家ん中に戻るぞ~」
元々洗濯物が入っていた、空っぽになったカゴを手に持った紫夕が声を掛けてくれる。
けど、どうしてもひらめいた"ある事は"をやりたかったボクはその場を動かず言った。
「しゆーさきにいってて!サク、すこしあそんでからもどる!」
「へ?なら一緒に……」
「だいじょうぶ!とおくにいかない、やくそくするっ!」
紫夕に内緒でその"ある事"をどうしてもやりたくて、笑顔でそう言うと指切りをするみたいに子指を立てて見せた。
すると、「やれやれ」って感じで微笑みながら溜め息を吐いた紫夕もその場で小指を立てて見せながら言った。
「約束げんまん、だぞ?30分経ったら家の中に入る事!いいな?」
「はーい!」
元気に返事をして、エア指切りをして、ボク達は離れた。
紫夕が家に入った事を確認すると、さっき見付けた"ある物"の元へ。
そこに生えていたのは、シロツメクサ。地面に座り込んで、抱いていた恐竜のぬいぐるみを置くと、なるべく茎の長いシロツメクサを選んで抜いて、綺麗な輪っかになるように編み込んでいく。
かんむりつくって、プレゼントするんだーー。
二人で旅をしている時に、母さんが教えてくれたシロツメクサの花冠の作り方。
一生懸命思い出しながら、想いを込めて一つ一つ繋げていく。
シロツメクサの花言葉は、「幸運」と「約束」ーー。
これを完成させてプレゼントすれば、きっと「約束」が叶って「幸運」が訪れると思ってたんだ。……けど。
「っ、どうしよう……たりない」
花冠があともう少しで完成、と言うところでその場に生えていた使えそうなシロツメクサはなくなってしまった。
「約束げんまん、だぞ?」
紫夕の言葉が心に響いて、思わず振り返って家を見つめる。
でも、どうしても、完成させたかったんだ。
……ごめんね、しゆー。すぐ、もどるから!
だから、ボクは、恐竜のぬいぐるみと一緒にシロツメクサを探して少し森の奥の方へ行ったんだ。
数日後ーー。
今朝のお手伝いは家の外で洗濯物干し。
その時、ふと目をやった視線の先に"ある物"を見付けて、ボクは"ある事"をひらめいた。
「よし、終わり!サクヤ、家ん中に戻るぞ~」
元々洗濯物が入っていた、空っぽになったカゴを手に持った紫夕が声を掛けてくれる。
けど、どうしてもひらめいた"ある事は"をやりたかったボクはその場を動かず言った。
「しゆーさきにいってて!サク、すこしあそんでからもどる!」
「へ?なら一緒に……」
「だいじょうぶ!とおくにいかない、やくそくするっ!」
紫夕に内緒でその"ある事"をどうしてもやりたくて、笑顔でそう言うと指切りをするみたいに子指を立てて見せた。
すると、「やれやれ」って感じで微笑みながら溜め息を吐いた紫夕もその場で小指を立てて見せながら言った。
「約束げんまん、だぞ?30分経ったら家の中に入る事!いいな?」
「はーい!」
元気に返事をして、エア指切りをして、ボク達は離れた。
紫夕が家に入った事を確認すると、さっき見付けた"ある物"の元へ。
そこに生えていたのは、シロツメクサ。地面に座り込んで、抱いていた恐竜のぬいぐるみを置くと、なるべく茎の長いシロツメクサを選んで抜いて、綺麗な輪っかになるように編み込んでいく。
かんむりつくって、プレゼントするんだーー。
二人で旅をしている時に、母さんが教えてくれたシロツメクサの花冠の作り方。
一生懸命思い出しながら、想いを込めて一つ一つ繋げていく。
シロツメクサの花言葉は、「幸運」と「約束」ーー。
これを完成させてプレゼントすれば、きっと「約束」が叶って「幸運」が訪れると思ってたんだ。……けど。
「っ、どうしよう……たりない」
花冠があともう少しで完成、と言うところでその場に生えていた使えそうなシロツメクサはなくなってしまった。
「約束げんまん、だぞ?」
紫夕の言葉が心に響いて、思わず振り返って家を見つめる。
でも、どうしても、完成させたかったんだ。
……ごめんね、しゆー。すぐ、もどるから!
だから、ボクは、恐竜のぬいぐるみと一緒にシロツメクサを探して少し森の奥の方へ行ったんだ。
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