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第6章(2)サクヤside
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しおりを挟む昔絵本で読んでもらった、醜い鳥の子が将来美しい鳥になるように……。
塔の中で閉じ込められたお姫様を王子様が助けてくれるみたいに……。
いつか、こんな自分でも輝けて、狭い世界から救い出してくれる人がいたらな、って、心の中でずっと思ってた。
ーー……でも、ボクには、叶わないの?
そう、心の中で問い掛けた時だった。
「でも、僕は君を独りにしないよ」
哀しみと絶望に負けそうになった瞬間。傷付いた心に、目の前の悪魔が優しく囁く。
「君を絶対に捨てたりしない。
僕なら1番に、君を愛してあげるよ」
風磨さんがそう言って、そっと人差し指でボクの涙を拭ってくれた。
そして、甘い誘惑の言葉を囁き続ける。
「可哀想に。ずっと辛かっただろう?
もう頑張らなくていい。たくさん僕に甘えていいんだよ?」
独りにしない。
捨てたりしない。
1番に愛してあげる。
1番欲しかった言葉ばかりを言って、風磨さんはボクを抱き締めた。
ーー……ずっと、誰かにこうしてほしかったよ。
安心出来る言葉をもらって、誰かの特別にしてもらいたかった。
もしも、自分を大切に想ってくれる人が居たら、ボクもその人を大切にしようと思ってた。
……
…………っ、けどーー。
抱き締めてくれる腕、温もり、鼓動、息遣い、匂い……。全部が、違った。
ボクが求めている人とは、全然違ったんだ。
「っ、はなしてッ……!!」
力一杯押して、ボクは風磨さんから離れた。
「ちが、う……っ。
サクが……サクがすきなのは、っ……しゆーだもん!!」
紫夕が好きーー。
例えどんなに傷付いても、涙を流す事があっても、それは決して揺るがない想いだった。
他の人なんてほしくない。紫夕に好きな人がいても、1番にしてもらえなくても……。
ただ、ボクはしゆーのそばにいたいんだーー!!
悪魔の誘惑に打ち勝って、愛する人の元に今すぐ帰ろうと思った。……しかし。
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