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第6章(4)紫夕side
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しおりを挟むダメだ。
ニヤけちまい、そうだな……。
そんな気持ちを抑えながら、俺は落ちていた恐竜のぬいぐるみを拾うとサクヤに歩み寄って差し出した。
「約束破ったから、後でお説教な?」
「……、うん」
俺が怒っていると思っているサクヤは、恐竜のぬいぐるみをギュッと両手で抱くと俯いてしまう。
何で、こんな態度取っちまったんだろうなーー?
この僅かな時間が"サクヤ"とまともに話せる最後の時間だと分かっていたら、思いっきり抱き締めて、笑顔で笑い合って、「大好きだ」って言ってやりたかった。
でも、時を戻す事は出来ないーー……。
「……、……ーーっ?
……しゆー!!あぶないッ!!!」
「!!っ、……あ?」
それは、サクヤが突然俺に飛びついてきた直後。真横をビュンッ!!と何かがもの凄い勢いで飛んで来て、俺の頬を掠めた。
俺とサクヤが地面に倒れ込むと、その飛んで来た"何か"がサクヤの手を離れて空中を舞っていた恐竜のぬいぐるみにザシュッ!!と突き刺さって……。中身の綿がハラハラと飛び散る。
……な、んだ?
一瞬の出来事。
ぬいぐるみに突き刺さり、斬り裂いたのはなんと風乱。
風磨の手から離れた筈の風乱が、その後も自由自在に動き、俺を狙っていたのだ。
本来、魔器は使う者の手から離れてしまったら何の能力も発揮出来ない筈。
まさかの信じられない出来事に呆然としていると、そんな俺をハッとさせるのは笑い声。さっき倒した筈の、親友の笑い声だ。
「見事な一撃だったよ」
「!……、っ……風磨」
「橘さんが新たに開発してくれた防具、魔具がなかったら完全にアウトだった」
その声に目を向けると、いつの間にか立ち上がっていた風磨が、俺の一撃で破れ裂けた服の下に着けていた薄い防弾チョッキのような物……。魔具とやらを見せて、ニヤリと笑っていた。
魔具。それは俺が守護神に滞在している際から新たに開発が進められていた、魔物を使った防具。
魔器同様、魔物の力を宿した強力な防具だ。
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