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第9章(3)雪side
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しおりを挟む「っ、はぁ?!そんなん虫みたいな事言うなよ。だからお前ガリガリなんだぞ~!」
その言葉が、オレの心にチクリッと刺さって……。溜めていたものが、抑えきれなくなってしまった。
そして、オレ達は拗れてしまうんだ。
虫みたい。ガリガリ。
その言葉が人間じゃない、って言われてるみたいで……。痩せっぽっちな自分のコンプレックスを指摘されたように感じてしまった。
「っ、……どうせ、オレは普通じゃないよ」
「は?」
「どうせ、オレはガリガリだよ……」
「……雪?」
好きで魔物に生まれたんじゃない。
好きで、こんな容姿なんじゃない。
自分ではどうにも出来なくて、どうにもならなくて……。それでも仕方ない、って言い聞かせてきたけど、もう、限界が来てしまった。
「だったら、普通の子と付き合えばいいじゃない!
可愛くて、いっぱい食べる女の子と付き合えばいいんだ!」
「っ……ゆ、雪?」
初めて、こんな風に大声出した。
紫夕は驚いて、でも、何とかオレを宥めようと必死になる。
「ど、どうしたんだよ?
っ……俺、別にそんな事言ってないじゃん?」
「っ……」
「あ~……、っ、ごめん!
俺の言葉が悪かったんだよな?謝るから、な?……機嫌直してくれよ」
俯いて、黙り込むオレに紫夕は謝ってくれる。
けど、違う。本当の本心は、紫夕に怒ってる訳じゃないんだ。
でも、キッカケが出来てしまったせいで……。何かが外れてしまったかのように、自分の気持ちが止まらない。
「……紫夕には、さっきみたいな可愛い女の子が似合うよ」
「……は?」
「あの時、倒れたオレの事なんて忘れて、可愛い女の子と付き合って、結婚して……。幸せになれば良かったんだっ……」
言ってはいけない事を、言ってしまった。
本心じゃない。
本当の本当は、紫夕がオレを大切に想ってくれていて嬉しかった。
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