スノウ2

☆リサーナ☆

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第14章(3)紫夕side

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***

っ、……やべ。
何か、身体が重いな……。

今日の狩りを終えた俺は、獲物を担いで帰る最中に身体に重ダルさを感じた。
今日は雨のせいかなかなか良さそうな獲物がいなくて、ついつい長時間濡れながら探した結果。どうやら体調を崩してしまったようだ。

……早く、戻らないと。
ゆきが空腹状態になって暴れちまう。

でも、休む訳にはいかなかった。
自分がご飯を持って帰ってやらなきゃ……。早く帰ってやらなきゃ、ゆきが苦しい想いをする事になる。
俺はゆきの事を想って足を進めると、何とかジープの元に辿り着いた。

荷台に狩ってきた猪を入れてやると、いつも通りゆきの食事タイムが始まる。
俺はゆきの食事が終わるまでの間、暫く外で身体を休める事にした。

……
…………しかし。
体調は良くなるどころか、どんどん悪化していって……。頭はボーッとして熱いのに寒気がして、ゆきの食事が終わる頃には立ち上がるのさえ辛くなっていた。

っ……俺が倒れる訳には、いかねぇ。

それでも、気力を振り絞っていつものように食事が済んだ後のゆきの後片付けを終える。
その頃には、もう限界でフラフラだった。

少しだけ、ここで休むか……。

荷台の床に横になれば、自然と重い瞼が閉じる。
思えば、足を伸ばして眠るのは久々だった。ずっと運転席で寝返りも満足に出来ないまま眠っていたから、身体が休まっていなかったのだろう。
少しだけ、のつもりが、ついつい何時間も寝ちまって……。次に薄っすらと意識を取り戻した時には、あまりのダルさに身体が動かせなかった。

……寒い、っ。

夜になって気温が下がったのか、体調の悪さからくる悪寒なのか分からなかったが身体の震えが止まらない。
毛布を掛けようにも、身体を動かせそうにない。

その時だった。
微かに聞こえる何かが自分に近寄ってくる音。薄っすらと目を開けると、四つん這いに歩み寄って来ていたゆきの姿が映った。
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