スノウ2

☆リサーナ☆

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第14章(4)紫夕side

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もしも、人間と魔物が共存出来る、そんな世界が創れたらーー……?

そんな世界が創れたら、ゆきとずっと一緒に居られる。
人間が魔物をもっと理解して、付き合い方を学べば、きっと争う事なんてしなくても一緒に暮らせるのだ。

不思議だった。
つい去年まで、あんなに毎日のように魔物を狩っていた自分の気持ちが変わった。
ゆきを好きになって、誰より大事な存在になって、ずっと一緒に居たくて……。全てはゆきと生きていきたいと言う強い想いで、俺は新たな人生みちに動き出す事になる。

……
…………そして、善は急げ。
俺は、魔物との共存生活を現実化するべく、まずは紫雪しせつをペットホテルから連れ帰ってくると、ゆきと対面させてみる事にした。

もしこれでゆき紫雪しせつを"獲物"だと認識してしまったら、全て終わりだーー……。

俺以外に対して、もしもゆきが先に攻撃的な様子を見せれば、俺の夢は夢で終わる。
けど、もしゆきが無闇に襲ったりしないと分かれば、魔物によって知能や気性の偏りはあるかも知れないが、別の生き物とも共存が可能だ、と言う事になる。

ゆき
ホラ、紫雪しせつって言うんだ。可愛いだろ?」

俺は内心ドキドキしながらも必死に抑えて、キャリーバッグ越しに会わせてみる事にした。
ゆきは興味津々、と言った様子で、すぐに近寄ってくるとクンクンッと匂いを嗅ぎ、キャリーバックの中の紫雪しせつをじっと見つめていた。
一方の紫雪しせつも、一時期魔物としての力が目覚め始めたゆきを警戒していた事から心配だったが……。今は落ち着きを取り戻しているのか、キャリーバックを覗くゆきを見つめ返している。

ーーきっと、大丈夫だ。

俺は、意を決してキャリーバックの扉を開けると、中から紫雪しせつを出してやった。
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