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第17章(1)雪side
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しおりを挟む「ごめんね、驚いたりして……。
悪く思わないでおくれ。サクラさんがこんな田舎町では見た事ない美人さんだから、驚いただけなんだよ」
その優しい声に顔を上げると、そこにあるのは優しく暖かい笑顔。
言葉に嘘偽りなんてなくて、オレを怪しんでいる様子は全く感じられなかった。
……良い人、だな。
でも、もう関わらないようにしなきゃ。
そう思ったオレは、今度こそしっかり言おうと口を開こうとした。
けど、その時だった。
「コレ、お口に合うと良いんだけど……。
昨日この子達がお世話になったお礼に、受け取ってくれるかい?」
そう言った亜希さんがバスケットからお皿に乗ったスコーンを取り出し、オレに差し出す。
フワッと、香ばしくて甘い匂いが漂って……。その匂いを嗅いだ瞬間。
!!ッ……ーーっ、吐くッ。
溝落ちの辺り、喉の奥から口に込み上げてくる嫌な感じ。
オレは咄嗟に自分の手で口を押さえると、亜希さん達に背を向けて走り出し、トイレへと駆け込んだ。
ーー……。
…………間一髪、間に合った。
嘔吐物を床にぶち撒ける事は免れて、オレはとりあえずホッとしたが……。胸の辺りのムカムカが治らなくて、深呼吸をしながら自分の胸元を摩った。
すると、
「ちょいと!あんた、大丈夫かいっ?」
「サクラちゃん!だいじょうぶ~?!」
トイレの床に両膝をついて屈んでいるオレの元に駆け寄って来てくれて、亜希さんは背中を摩ってくれて、ハル君は心配そうにその後ろから泣きそうな表情で居てくれた。
「っ、……だ、大丈夫、です。
気にしないで下さい。少し前から具合が悪くて、だから……」
その様子に心配かけちゃいけない、って思った。
これはただ、まだ体調が本調子に戻っていないからだと思った。
でも、違う、って。
オレは気付かされるんだ。
「ーーサクラちゃん、おなかにあかちゃんがいるの?」
ーー……え?
それは、ハル君の後ろに居た、リンちゃんの言葉だった。
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